経済成長率が低迷する中国が抱える問題の1つに、生産能力の過剰がある。2008年の世界金融危機の際、中国は4兆元の景気刺激策を打ち出し、内需拡大を図ったが、それは過剰投資につながり、鉄鋼をはじめとする各産業で生産能力の過剰となっている。(イメージ写真提供:123RF)

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 経済成長率が低迷する中国が抱える問題の1つに、生産能力の過剰がある。2008年の世界金融危機の際、中国は4兆元(約72兆円)の景気刺激策を打ち出し、内需拡大を図ったが、それは過剰投資につながり、鉄鋼をはじめとする各産業で生産能力の過剰となっている。

 また、生産能力が過剰となっている技術はいずれも質が劣り、競争力の低いものばかりで、競争力の高い製品を生み出せるような技術については欠乏するという矛盾まで抱え込んでいる。

 中国メディアの証券時報はこのほど、中国政府も生産能力の過剰については極めて深刻な問題であることを認識しており、2016年の主要な改革任務の1つに挙げていることを紹介し、特に鉄鋼や石炭などの産業が対象になると伝えている。

 記事は、中国の各産業では技術力が低いうえに生産能力の過剰によって生産の稼働率が低下し、製品の価格も下落が続いていると指摘。特に鉄鋼メーカーは極めて深刻な状況にあるとし、生産能力の過剰を解消することは重要な改革に値すると論じた。

 一方で、中国の鉄鋼業界で生産能力の過剰を解消できたところで、高品質な製品を作れるようになるわけではないと指摘し、品質が高く、競争力のある製品を造るうえでは日本や米国、ドイツとは大きな力の差があると指摘。

 その力の差こそ、中国人旅行客が日本で温水洗浄便座を買い求めるという行動に現れていると指摘し、中国は世界の工場として名を馳せたが、製品を造るために必要な高品質な金型や質の高い原材料などは輸入に頼っていたのが現状であると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)