「失敗なくいいモノを選ぶ」をテーマに、トレンド解説と最新機器の選び方を指南する新連載。第2回は携帯性にすぐれたモバイルノートを取り上げる。サブ利用とメインユースを踏まえて、人気モデルを紹介するともに選び方を解説しよう。

メインPCとして使うか、持ち出し用のサブユースか

外回りや移動が多いビジネスマンにとって手放せないのが、携帯性にすぐれたモバイルノートだ。スマートフォンが普及したことで、Webの閲覧やメールの確認程度ならノートパソコンを使う必要性は下がっているが、それでもビジネス文書をまとめる場合や、長文のメール・文書を作成するときにノートパソコンは欠かせない。

モバイルノートを選択する場合、いくつかのポイントがある。最初に決めるべきなのがサイズと形状だ。たとえば、オフィスや自宅に高性能なパソコンがあり、外出時だけ利用するなら携帯性を最重視する。高い処理性能を求める作業はオフィスや自宅で行えるため、性能もそれほど求められないはずだ。この場合、10〜12型クラスのディスプレイを搭載した小型モバイルノートが向くだろう。

それに対して、自宅やオフィスでもノートパソコンを利用し、そのままの環境を持ち歩きたいと考えるなら、12〜14型クラスの比較的大型のモバイルノートを選びたい。この場合、メインユースとして活用するため基本性能も重視しよう。携帯性、基本性能、バッテリー性能のすべてにすぐれたモデルを選ぶ必要がある。

また、もうひとつ、この段階で決めておきたいのが、タブレットスタイルで利用するかどうかという点だ。Windowsを搭載するノートパソコンはWindows 8の登場以降、タブレットスタイルにも切り替えられるスタイルのモデルが増えている。これらは、画面に触れて操作できるタッチ操作にも対応。よりきめ細かくタッチ入力ができるペン対応モデルもある。まずは、12型クラスまでの小型モデルか、13型超のモバイルノートか、そしてスタイルか、クラムシェル(従来スタイルのノートパソコン)かを最初に決めよう。

サブユースなら12型までの軽量モデルを重視

主に携帯時に利用するモバイルノートは、10万円を切る低価格から選べるのが魅力だ。その分、基本性能は低くなるが、外出時だけの限定的な利用なら、そういった選択肢もありだといえる。たとえば、日本HPの「Stream 11-r016TU」は11.6型ワイド液晶を搭載したモバイルノートだが、3万円を切る価格で購入可能。ストレージが32GBしか搭載しないなど使い方は限定されるが、クラウドサービスと組み合わせることでうまく活用できるはずだ。

日本HPのStream 11-r016TU。本体価格3万円を割る低価格が魅力。1.18kgと軽く、約10.8時間のバッテリー駆動に対応。Microsoft OneDrive 100GBの使用権が2年分付属する

 

最新のノートパソコンが搭載するCPUは、Atom、Celeron、Core m3/m5/m7、Core i3/ i5/ i7の順に性能が高くなる。12型クラスの小型ノートでもCore i7など、高性能CPUを搭載するモデルはあるが、当然その分、価格も高くなる。小型ノートパソコンは上記モデルのような格安モデルと、高い基本性能を搭載したハイエンドモデルに二極化している。Webの閲覧やメール、オフィスソフトの利用が中心で、負荷の高い作業をしないなら、低価格モデルでも問題ない。

特に、Atomは同名の古いモデルの性能が低かったため、避ける方も多いが、最新のAtomなら、オフィス用途ならまったく問題なく活用できる。

CPU以外で、10万円を超えるモデルと10万円以下のモデルで決定的に違うのが液晶ディスプレイの解像度だ。10万円以下のモデルはそのほとんどがWXGA(1366×768)表示となり、データの一覧性は低い。作業効率を重視するなら、12型以下でもフルHD表示ができるモデルを選ぶといいだろう。

これらを考えたとき、いくつかのモデルが選択肢になる。1つがパナソニックの「Let's note RZ5」だ。液晶ディスプレイは10.1型とコンパクトだが、フルHD超の1920×1200ドット表示に対応。プロセッサには省エネ性能と基本性能のバランスにすぐれたCore m3を搭載する。タッチ操作にも対応し、ディスプレイを回転してタブレットスタイルでも使えるのが特徴だ。

パナソニックのLet's note RZ5 CF-RZ5GDFPR。スタイルでタブレットとしても使えるビジネスモバイル。745gと軽く、バッテリー駆動時間は約11.5時間となっている

 

そしてもうひとつの選択肢がVAIOの「VAIO S11」だ。こちらはフルHD表示の11.6型ワイド液晶を搭載するモデル。一番の特徴は、SIMスロットを搭載するモデルを用意すること。同社が用意するVAIO SIMを初めとした、MVNO SIMを装着することで、単体でデータ通信ができる。起動して数秒でデータ通信可能となるため、スマートフォンでのテザリングなどの手間がかからないのが魅力だ。

VAIOのVAIO S11。CPUにCore i3/i5を搭載したモデルが選択可能。SIMスロット搭載モデルでも13万円台から購入できる

 

このほかにも有力な選択肢として、タッチ操作に対応し、LTE回線による通信機能を搭載したマイクロソフトの「Surface 3」がある。また、Windowsマシンではないものの、12インチ液晶を搭載し、スリムボディが特徴のアップルの「MacBook」も視野に入れておきたい。これらは基本性能も高く、写真編集などにも十分に対応できる。携帯性と基本性能のバランスを取るならこれらのモデルも選択肢になるだろう。

メインユースPCを持ち出すなら大型モバイルノートを

外出先でもバリバリとビジネスを進めたいなら、ハイスペックのモバイルノートを選びたい。基本性能の高さはもちろん、生産性を高めるための機能をしっかりと搭載したモデルを選ぼう。12型以上のモバイルノートは、本体サイズが大きくなるため、キーピッチ19mmのフルサイズキーボードを搭載することが多い。生産性を重視するなら、このキーピッチも重要なポイントだと言える。

また、メインユースとして使うモデルでは、CPUの性能だけでなく、メモリー容量やストレージ容量も重視したい。ビジネス文書を扱うだけなら、メモリー4GB、ストレージ容量128GBでも問題はないが、高画質の写真の保存や編集を行うなら、メモリー8GB、ストレージ256GBは搭載したい。これぐらいの仕様の搭載が、メインユースで活用するための最低条件といえそうだ。

候補となるのが、モンスターPCとう異名を持って発売されたVAIOのVAIO Zだ。ディスプレイサイズは13.3型。2016年モデルでは新たにスタイルだけでなく、クラムシェル型も用意。最新のCPU(コードネームSkylake)を搭載したことで、性能がさらに向上。また、最長約27時間のバッテリー駆動に対応。重量はクラムシェル型が1.17kg、タブレットスタイルに変形できるフリップ型が約1.35kgとけっして重くはない。

VAIOのVAIO Z VJZ13190211B(クラムシェル型)。個人向け店頭モデルは、CPUにCore i5を採用、メモリーは4GBでストレージは128GB。さらなる高性能を搭載したい場合はカスタマイズモデルを選びたい

 

処理性能よりも軽さを重視したいという場合は、NECの「LAVIE Hybrid ZERO HZ750」に注目。13.3型液晶を採用し、約9時間のバッテリー駆動に対応しながらも約926gと1kgを切る軽さを実現。さらにディスプレイが回転できるスタイルも採用している。

NECのLAVIE Hybrid ZERO HZ750。軽さとパフォーマンスの両方を追求したモデル。Core i7や8GBメモリーを搭載するなど仕様面でも妥協はない

 

このほかの選択肢として考えられるのが、タブレットスタイルでも使えるマイクロソフトの「Surface Pro 4」。ディスプレイサイズは12.3型。キーボードを搭載したタイプカバーが改良され、より入力性がアップしたのがポイント。搭載するCPUはCore m3からi7まで多くのラインナップがあるが、Core i5でメモリー8GB、ストレージ256GBぐらいの仕様が狙い目だ。また、レノボ・ジャパンの「ThinkPad Yoga 260 20FD0002JP」も12.5型液晶を搭載し、スタイルで利用可能。ThinkPadシリーズ伝統の堅牢性と入力性の高さで、ビジネスシーンでは大活躍しそうだ。

まとめ ベストな一台を選ぶためには使い方や目的をハッキリしたい

モバイルノートは、格安モデルは3万円前後から購入でき、上は30万円を超えるハイパワーモデルまで多くのラインナップがある。この中から、ベストな一台を見つけ出すために重要なのが、どのような使い方をするかということだ。カジュアルに使いたいなら軽さは絶対条件だが、手持ちでの移動時間が短いなら重要度は下がる。また、カフェなどの電源が取れないところで使うことが多いなら、バッテリー駆動時間が最優先だ。

処理性能やバッテリー駆動時間、軽さ、ストレージ容量といった各要素に優先順位を付けていくことで、使い方にあったベストなモデルが見つけられる。

最新トレンドはLTE通信機能を内蔵したモデル。これまでも、通信機能を内蔵したモバイルノートは数多く登場しているが、VAIO S11など、SIMロックフリーでMVNO SIMが利用できるモデルも登場。今後、こういった仕様のモデルは増えそうだ。

そもそも、バッテリー駆動時間と軽さ、基本性能、価格はそれぞれ相反する要素だ。すべてが理想的なモデルがあり得ないからこそ、最重視すべき要素を見極めることで、ベストな一台を見つけ出せるようになるはずだ。


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