経営者一族が起こした「ナッツ・リターン」事件で揺れた韓国の大韓航空で、賃金をめぐる労使間の争いが起きている。中国メディア・環球網は28日、同社のパイロット組合が会社に対して37%の賃上げ要求を出し、「認められなければ中国へ行ってしまうぞ」と主張しているとする香港・文匯報の同日付報道を伝えた。(イメージ写真提供:123RF) 

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 経営者一族が起こした「ナッツ・リターン」事件で揺れた韓国の大韓航空で、賃金をめぐる労使間の争いが起きている。中国メディア・環球網は28日、同社のパイロット組合が会社に対して37%の賃上げ要求を出し、「認められなければ中国へ行ってしまうぞ」と主張しているとする香港・文匯報の同日付報道を伝えた。

 記事は、パイロット側が37%の賃上げを要求しているのに対し、会社側がこれを受け入れられないとし、1.9%の上昇に留める提示をしていると紹介。パイロット労働組合の組合員約1900人が、場合によってはストライキも辞さない構えであることを伝えた。

 韓国メディアによると、同社のパイロットの平均月収は中国のわずか3分の1程度だという。そこには福利厚生など賃金に表れないの差はあるというが、同社のパイロットが待遇面での不満を噴出させた背景にあることは間違いないようだ。記事は、組合のメンバーが「もし韓国の航空業界が再度賃金引き上げをしなければ、より多くのパイロットが中国などに移籍するのを促すだけだ」と語ったことを併せて紹介した。

 中国の航空業界はまさに大発展期を迎えており、パイロットへのニーズも高い。高待遇を提示して韓国人パイロットを引き抜きにかかっているとの報道もしばしば出ている。先日は日本航空(JAL)がパイロット流出を食い止めるべく、大幅な賃金上昇を実施するとの報道が出た。

 「ナッツ・リターン」事件によるイメージダウンは、パイロットを含む内部でも起きているはずだ。ストライキ阻止だけでなく、人材流出を食い止めるには思いきった待遇改善が必要だろう。大韓航空は厳しい判断を迫られることになりそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)