イランへの武器輸出は2018年夏ごろに解禁さされる見通しだが、中国メディアの観察者網は中国がイランに武器をするのは難しいとの見方を示した。過去に「阿漕(あこぎ)な商売」をしたため、イラン側に不信感があるという。(イメージ写真提供:123RF)

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 イランが核開発を断念したことにともない、同国への武器の輸出禁止が2018年夏ごろまでに解除される見通しになったことにともない、中国では同国への武器輸出を主張する声が高まった。中国メディアの観察者網は、「ハードルがある」と主張する論説を掲載した。過去に「阿漕(あこぎ)な商売」をしたため、イラン側に不信感があると主張した。

 制裁により衰微したイラン経済だが、観察者網の論説はイランについて、西側諸国と協調し、「カネの力でやりたい放題」だった時期もあったと紹介。例として、1970年代には米国から「F-14」という強力な戦闘機を購入したことなどを挙げた。

 しかしイラクは1979年のイスラム革命で米国と断交し、西側諸国との距離も遠ざかった。さらに1980-88年のイラン・イラク戦争では、「武器の消耗戦」を強いられることになった。

 西側諸国が武器輸出に応じない中で、イランに盛んに武器を売ったのが中国だった。例えば、69式戦車だ。イランもイラクも大量の戦車を必要とした。交渉団が中国を訪れた。宿泊場所は同じホテルだったが、イラン側もイラク側も「互いに相手をしらないふり」をしたという。騒ぎを起こして戦車購入に支障がでることを恐れたと考えられる。

 中国の工場はフル回転で「両国向け」の戦車を製造した。偶数日の完成分はイラクに向け、奇数日の完成分はイランに向けて出荷したこともあったという。

 観察者網は、中国が当時、イランとイラクに向けて売った69式戦車の数は「驚異的」だったと説明。イラン・イラク戦争終結から30年近くが経過し、湾岸戦争やイラク戦争で大量に喪失したにもかかわらず、イラクは現在のISとの戦いで69式戦車を使っているという。

 イランは西側諸国から武器購入ができなくなり、ソ連(ロシア)の「T-72」戦車を参考に、自国で「ゾルファガール」戦車を開発した。量産開始は1997年だった。

 「ゾルファガール」は開発時点で、世界的にはかなり遅れた戦車だった。観察者網は、イランはゾルファガールを交代させることを考えていると指摘。これまでイランは、ロシアとの交流をつづけてきているため、武器輸出が可能になればロシア製戦車を購入するのが自然と指摘した。

 通常ならば、イランが戦車購入で「ロシア一辺倒」になるのは、イランにとって必ずしもよい選択とは言えない。ロシアと間で問題が発生した場合、戦車や修理用部品の調達が困難になるからだ。

 しかし観察者網は、中国が「おこぼれ」にあずかることにも障害があると説明。イラン関係者には、かつての戦争時に中国から戦車を購入した際の「不快な記憶」を拭うことができないという。

 さらに、中国はイランに「J-7(殲-7)」戦闘機と赤外線誘導の「PL-7(霹靂-7)」空対空ミサイルを輸出したが、イラン空軍は「中国製品の品質は頼りにならない」と認識するに至ったという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)