指揮官は「日本に優勝を届けられて良かった」と優勝の喜びつつも、「ありとあらゆるところの能力を高めないといけない」と、その視線はすでにリオ五輪に向けられている。

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 リオ五輪最終予選を兼ねたU-23アジア選手権で、日本代表が見事アジア王者に輝いた。
試合後、チームを優勝に導いた手倉森監督が会見に臨んだ。指揮官が劇的勝利直後に語ったコメントをお伝えする。
 
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 ドラマチックだったなと思います。日本に優勝を届けられて良かったです。選手たちには、もう一度自分たちの勇気と感動を日本へ届けようと話していました。まず、それを届けられて良かったと思います。
 
 ゲームプランは、後半に仕留めて2-0で勝つというのが頭の中にありました。お互いに先制点を取りながら勝ち上がってきたチームでしたが、「もし取られたら」という話を選手たちにはしていました。後半には韓国の足が止まるので、後半勝負だなという話もしていました。
 ただ、前半の失点、後半の早い(時間での)失点でまさか2点差つけられるとは思っていなかったんですけどね。2失点目は僕の責任です。後半の頭からメンバーもシステムも変えた。耐える時間を作って終盤にまた2トップに戻して逆転できればと思っていましたが、チームの重心が少し後ろに行ってしまって2失点目を喫してしまった。
 でも、開き直ってからの仕掛けが思った以上に良くて、逆転することができました。逆転までたどり着けたのは、韓国が3点目の機会を逃してくれたというところも非常に大きいと思います。あれだけ外してくれると「こっちに(流れが)来るな」という思いもありながらやっていましたし、全然負ける気はなかったです。
 
 
――このチームが公式戦で逆転勝ちするのは初めてのことだと思いますが、それが決勝で出た要因は?
 
 韓国が今大会で見せてきた、密集しての仕掛けには手を焼くと思っていました。失点もある意味では覚悟していた。ミーティングでは選手たちに「取られても」という話もしていました。
 逆に韓国は今大会、試合終盤に失点することが多かったので、逆転勝ちもあり得ると期待もしていました。もし(先制点を)取られなければ2-0(で勝てる)という気持ちでいました。そして、選手たちがゲームでの“耐えどころ”をものすごく理解してきたなと思います。劣勢の時の凌ぎ方を理解し、守るところは守りに徹して攻撃の機を待つ。そういうメンタリティが備わってきた。成長したと感じる部分です。
 
――アジア王者として臨むリオ五輪については?
 
 優勝はしましたが、世界、五輪での戦いを見据えたらまだまだ足さなければいけないところがあることを、私も選手たちも気付けたのではないかと思います。
 
――浅野拓磨選手にはどんな声をかけてピッチに送り出しましたか?
 
(中盤の底でプレーしていた)相手の6番(パク・ヨンウ)の脇でボールを受ければ起点になれる。あとは相手が攻勢に出ているので、取った瞬間に裏へ抜けられる。点を取りにいけという話をしました。
 
――フィジカルコンディションが良く、すべての試合で走り勝っていた印象でした。
 
 まずJリーグが終わって、メンバーの1シーズンの出場率を計算して、疲労がどのくらい残っているか(を調べた)。あまり出ていない選手たちは鍛えなければいけないと思い、インディビジュアル(個別的)に1年の疲れをチェックして、石垣島(12月下旬の直前合宿)では、タイム設定などもそれぞれ変えて(走りのトレーニングを)行ないました。
 なおかつ大会期間が長いので、焦らないように、ピークをトーナメントに持っていくように早川コンディショニングコーチと共にやって来ました。それがまず上手くいった。
 早川コンディショニングコーチの持っていき方は本当に的確だった。いろいろな検査をしてきました。唾液を使った疲労チェックだったり、尿検査だったり、血液検査だったり。そういうものも情報としてしっかり処理して、選手たちのコンディションを見極めた中でターンオーバーをやってきました。