今大会、好プレーを連発する櫛引。大会後は鹿島で曽ヶ端との定位置争いが待つ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 注目の“日韓戦”となったU-23アジア選手権の決勝は、日本の勝利で幕を閉じた。優勝という最高の形で「リオ五輪出場」を勝ち取ったU-23日本代表だが、これから選手たちはそれぞれの所属クラブへ戻り、また新たな戦いに備える日々が始まる。

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 今年8月に開催される五輪本大会の登録メンバー入りを果たすためにも、U-23日本代表の選手たちは、所属クラブで結果を出すことが何より重要だ。果たして彼らは今、チームでいかなる立場にあるのか。今大会登録23人の現状をチェックする。
 
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GK
1 櫛引政敏(清水→鹿島)
昨季成績(J1):10試合・22失点(清水)
今季のライバル:曽ヶ端準
 
今オフに清水から鹿島にレンタル移籍。昨季は清水の不調にも引っ張られ、不安定なパフォーマンスに終始した。定位置の座を奪われリーグ戦では10試合の出場に止まっている。しかし、この五輪最終予選では見違えるような好プレーを連発。この勢いを持続できれば、曽ヶ端が守り抜いてきた正GKの座を奪えるかもれしれない。
 
GK
22 杉本大地(京都→徳島)
昨季成績(J2):5試合・10失点(京都)
今季のライバル:長谷川徹、相澤貴志など
 
京都に所属していた昨季は序盤戦で出番を得ていたものの、不安定なプレーが目立ち、8節以降は不出場。今季は徳島に新天地を求め、定位置奪取へゼロからのスタートとなる。五輪予選ではサウジアラビア戦でPKから1失点したものの、及第点のパフォーマンスを見せた。
 
GK
23 牲川歩見(磐田→鳥栖)
昨季成績(J2):0試合・0失点(磐田)
今季のライバル:林彰洋、赤星拓
 
昨季は所属チームの磐田で出場機会がなく、出番はJ3のJ-22選抜での出場に限られていた。今季は期限付き移籍で鳥栖に加入することになったが、日本代表にも復帰した林彰洋の牙城は高く、まずは地道なアピールを続けてチャンスを待つしかないだろう。
 
DF
2 松原 健(新潟)
昨季成績(J1):0試合・0得点
今季のライバル:早川史哉
 
昨季は右膝の怪我でシーズンを棒に振り、今回の五輪最終予選も出場が危ぶまれた。なんとか予選には間に合わせた格好だが、いまだ本調子と言える出来ではなかった。しかし、現時点で新潟の右SBの本職は松原と筑波大卒の新人・早川のみ。右サイドは松原の働きに懸かっていると言っても過言ではない状況だ。
 
 
DF
4 岩波拓也(神戸)
昨季成績(J1):30試合・1得点
今季のライバル:北本久仁衛
 
いまや神戸の最終ラインに欠かせない不動の存在となった。神戸はU-23日本代表とは異なり、昨季ネルシーニョ監督が就任して以降3バックを採用している。昨季は右ストッパーを務めた岩波だが、今季は中央に君臨していた増川が退団。ここに岩波が起用される見込みだ。
 
 
DF
5 植田直通(鹿島)
昨季成績(J1):12試合・1得点
今季のライバル:ファン・ソッコ、ブエノなど
 
昨季はプロ初得点を決めるも、出場機会は限られていた。リオ五輪最終予選で披露したフィジカルの強さと闘争心は間違いなく国際レベル。周囲と連動した組織的な守備を磨き、“凡ミス”を減らせば、リーグを代表するCBになれる能力はある。今季は主軸のファン・ソッコからポジションを奪いたい。
 
 
DF
6 山中亮輔(柏)
昨季成績(J1):11試合:0得点
今季のライバル:輪湖直樹
 
柏の左SBのポジション争いは、輪湖と山中の一騎打ちの様相を呈している。昨季は先発候補と目されながら、蓋を開けてみればスタメン起用は2試合に止まった。今季こそ殻を打ち破り、お預けの状態が続いているブレイクスルーを果たしたい。
 
DF
12 室屋 成(明治大・FC東京=特別指定)
昨季成績(J1):0試合・0得点
 
昨季は所属の明治大のほか、FC東京の特別指定選手としても活動したが、公式戦デビューはならず。同じ右SBの徳永らとの切磋琢磨で自己研鑚に勤しんだ。今春で最終学年となるだけに来季の進路が気になるところだ。また昨季の関東大学リーグ1部で、明治大は勝点1の僅差で惜しくも早稲田大に優勝を譲り2位。今季こそリーグ制覇を果たしたい。
 
 
DF
13 奈良竜樹(FC東京→川崎)
昨季成績(J1):0試合・0得点(FC東京)
今季のライバル:谷口彰悟、武岡優斗など
 
FC東京では完全にサブに回り、出場機会は訪れなかった。新シーズンは川崎に新天地を求めたが、対人プレーの強さ、足もとの技術といった個の能力の高さは持ち合わせているだけに、風間監督のサッカーにもすんなり順応できるはず。加えて、U-23日本代表の手倉森監督からは、「メリハリのあるラインコントロールができる」という一面も見出されており、谷口や武岡らと争いながら先発の座を狙う。
 
 
DF
15 亀川諒史(福岡)
昨季成績(J1):38試合・0得点
今季のライバル:阿部巧
 
昨季J1昇格を果たした福岡の快進撃を、攻守に渡る積極果敢なアップダウンで支えたひとり。福岡では左のウイングバック、ストッパーで起用されるが、不動のレギュラーであることは間違いなく、今季はJ1残留が現実的な目標となるチームに不可欠な選手だ。
 
 
DF
17 三竿健斗(東京V→鹿島)
昨季成績(J2):39試合・0得点(東京V)
今季のライバル:小笠原満男、柴崎岳、永木亮太など
 
ルーキーイヤーの昨季、東京Vでは押しも押されもせぬ主戦ボランチに。フィードに定評があり、CBもこなすなどマルチな才能も見せた。今季完全移籍した鹿島では熾烈な定位置争いに挑む。柴崎らとの競争が良い刺激となり、さらなる成長のきっかけを掴めれば、レギュラー奪取も見えてくるだろう。
 
MF
3 遠藤 航(湘南→浦和)
昨季成績(J1):31試合・4得点(湘南)
今季のライバル:阿部勇樹、柏木陽介、青木拓矢
 
今オフ移籍した浦和では、ペトロヴィッチ監督がボランチでの起用を示唆している。柏木が天皇杯での負傷からいまだ復帰できておらず、開幕からの即抜擢も十分にあり得る。主将として臨んだ今回の五輪最終予選を通じて、メンタル面でもひと回り大きく成長したはずで、チームにも貴重な財産として還元されるはずだ。
 
 
MF
7 原川 力(京都→川崎)
昨季成績(J2):29試合・0得点(京都)
今季のライバル:中村憲剛、大島僚太、森谷賢太郎など
 
京都ではパスの供給源となっていたが、昨季はチームが波に乗れず、そのパフォーマンスも不満が残る出来に。ただ、高いパス技術に加え、激しい守備も光り、川崎の戦術には難なく適応しそうだ。主戦場のボランチには中村と大島が君臨しているが、最終予選でも発揮した攻守に貢献できる総合力の高さをアピールしたい。
 
 
MF
8 大島僚太(川崎)
昨季成績(J1):28試合・0得点
今季のライバル:中村憲剛、森谷賢太郎、原川力
 
2014年に主戦ボランチの座を獲得して以来、今季で3シーズン目を迎える。リーグ得点王の大久保からは、いまだ前方へのパスの少なさを指摘されるなど、課題を突きつけられてはいるが、そうした面も徐々に改善。今季は五輪最終予選でともに戦った原川が加入するなどライバルが増えるなかで、主軸の存在感を見せつけたい。
 
 
MF
10 中島翔哉(FC東京)
昨季成績(J1):13試合・1得点
今季のライバル:東慶悟、田邉草民
 
FC東京では昨季までベンチが定位置。主軸の東や河野らに加え、今季加入した阿部、水沼ら実力者が揃う中盤で台頭・飛躍を遂げるには、「FC東京U-23」として参戦するJ3での活躍も不可欠か。足もとのテクニックは申し分ないだけに、当たりに負けない強さを手に入れたい。
 
MF
14 豊川雄太(鹿島→岡山)
昨季成績(J1):6試合・0得点(鹿島)
今季のライバル:押谷祐樹、片山瑛一など
 
昨季は遠藤、金崎、カイオとのハイレベルな競争のなかで、6試合の途中出場にとどまった。出場機会を求めて、今季はJ2の岡山へレンタル移籍となっているが、レギュラー獲得は簡単ではなさそうだ。豊川の起用が見込まれるシャドーの位置には、チーム得点王の押谷、高い攻撃性能を誇る片山ら実力者が揃っており、まずはキャンプでのアピールが必要になる。
 
 
MF
18 南野拓実(ザルツブルク)
今季成績(オーストリア・リーグ):19試合・7得点
今季のライバル:ヴァレンティーノ・ラザロ(オーストリア代表)、ファン・ヒチャン(U-23韓国代表)
 
今季は開幕からゴールを量産。12節までに7ゴール・3アシストと、快調に結果を残してきた。圧巻は、首位ラピド・ウィーン戦での同点ゴールで、絶妙なファーストタッチから豪快なシュートを叩き込んでいる。だが、年内最終戦となったラピド・ウィーンとのリターンマッチでは先発から外れ、代わって日韓戦で対戦するはずだったファン・ヒチャンが起用された(ファン・ヒチャンも南野同様、オーストリアに帰国)。彼が新たなライバルとなる可能性も浮上している。
 
MF
19 井手口陽介(G大阪)
昨季成績(J1):8試合・0得点
今季のライバル:遠藤保仁、今野泰幸、内田達也など
 
昨季は4試合に先発し、チャンピオンシップの2試合に途中出場するなど急成長を遂げた。主戦場のボランチに君臨する遠藤と今野の壁は高いが、長谷川監督は「最も伸びた」と高く評価しており、出番は着実に増えそうだ。五輪予選では起用されたサウジアラビア戦で及第点以上のパフォーマンスを見せた。
 
 
MF
21 矢島慎也(岡山)
昨季成績(J2):38試合・8得点
今季のライバル:渡邊一仁、関戸健二など
 
昨季浦和からのレンタル移籍で岡山に加入。元々は3-4-2-1のシャドーでアタッカーとして起用されていたが、シーズン途中のボランチ起用によって、パフォーマンスレベルが向上。U-23日本代表では攻撃的MFでプレーしたが、今季も岡山ではボランチでの起用が濃厚だ。
 
FW
9 鈴木武蔵(水戸→新潟)
昨季成績(J1/J2):13試合・1得点(新潟)/6試合・2得点(水戸)
今季のライバル:ラファエル・シルバ、指宿洋史、酒井宣福など
 
新潟でも、レンタル先の水戸でも真価を発揮できなかった昨季は、不完全燃焼と言えるだろう。吉田新監督の下で序列が横一線となるなか、U-23日本代表での躍動感をクラブでも取り戻し、サイドハーフではなくFWとして勝負を挑む。
 
 
FW
11 久保裕也(ヤングボーイズ)
今季成績(スイス・リーグ):14試合・4得点
今季のライバル:アレクサンデル・ゲルント(スウェーデン代表)
 
4-2-3-1のトップ下を中心に、1トップや2トップの一角も担うなど、ヒュッター監督から前線のマルチロールとして重宝された。今季初得点をマークした6節のシオン戦を皮切りに、ここまで4得点・4アシスト。12月中旬には、この活躍にフランクフルトが目をつけ、乾が抜けた左ウイングの即戦力候補にリストアップしたとも現地で報じられた。
 
 
FW
16 浅野拓磨(広島)
昨季成績(J1):32試合・8得点
今季のライバル:佐藤寿人、皆川佑介
 
昨季同様、スーパーサブでの起用が濃厚だが、今季の成長次第ではスタメンへの抜擢もあり得なくはないだろう。そのためにはJ1通算最多得点をマークした大先輩の佐藤、巻き返しを期す皆川とのポジション争いに勝たなくてはらない。持ち前のスピードをスタートから活かすプレースタイルを確立したい。
 
 
FW
20 オナイウ阿道(千葉)
昨季成績(J2):33試合・3得点
今季のライバル:エウトン、船山貴之、吉田眞紀人など
 
昨季は3得点に止まったものの、今回の五輪最終予選でも見せつけた高い身体能力、とりわけ空中戦での強さは大きな武器だ。一つひとつのプレーは荒削りだが、特大のポテンシャルを持つストライカーだけに、予選での経験を糧に大化けする可能性も秘めている。現時点では2トップの控えの位置付けだが、今季が楽しみな存在だ。