モテ車を解説する「週刊ポスト」連載の「死ぬまで カーマニア宣言!」。これまでにクルマを40台買ってきたフリーライター・清水草一氏(53)が、卒業・就職シーズンを前に我が子へおすすめのクルマについて解説する。

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 ご同輩諸君。間もなく卒業・就職シーズンだ。「いよいよ我が子が社会人になる」という方もいらっしゃるはず。あるいは「孫の就職なんだよ」という人生の先達もいらっしゃるかもしれない。

 カーマニアなら、いよいよ社会人になる我が子に、クルマの一台も買ってあげたいと思ってしまうものである。特に地方在住の場合、クルマがないとどこにも行けないので、「就職祝いにクルマを買ってやるのが普通」という地域もあると聞く。その場合、何を買ってやればいいか?

 近年は若者のクルマ離れが甚だしいため、本人は「動けばなんでもいいよ」と言うケースも多いだろう。となると、維持費の安い軽自動車が断然オススメだ。特に娘さんの場合、小回りが利いてカワイイ軽自動車の人気は圧倒的と聞く。

 昨年4月から軽自動車税が一気に5割も上がって、年間1万800円になった。それが原因で昨年後半は軽自動車の販売が大失速したが、それでも普通車の税額に比べれば概ね3分の1ですむ。軽は税金だけでなく保険料や高速道路料金も安い。もちろん燃費も優れているから、10年スパンで見れば普通車より50万円以上安上がりだ。

 最もおトクなのは、平成26年4月から27年3月中に初登録された軽のうち、エコカー免税対象の中古車を買うことだ。昨年3月中までに登録された軽なら、増税後も軽自動車税が7200円のまま据え置かれる。加えて26年4月以降の初登録だと、次回車検時に重量税(5000〜7500円)がタダになるのだ。

 モデル的には、ノンターボのATの2WDがコスト面でオススメだ。4WDやターボ付きは燃費の数値が若干落ちるため、トータルの減税額は2万円前後少なくなる。なんだかセコい話だが、ゲタ替わりなら安いに越したことはなかろう。

 加えて娘さんの場合、少しでも安全なクルマにしてやりたいと思うのも親心だ。できれば自動ブレーキ付きを選びたいところである。

 ただ軽自動車の自動ブレーキは、まだ機能がミニマムな車種が多く、「自動ブレーキ付き!」と謳っていても、30km/h以下でしか効かない気休め程度のものも多い。

 そんななか、現在買える軽の中では、スズキのハスラーとスペーシアに装備できる「デュアルカメラブレーキサポート」(日立オートモティブシステムズ製)の性能が最も優れている。前方のクルマには5km/h〜100km/hの範囲でドライバーに警報音を鳴らして減速を行ない、50km/h未満なら衝突を回避する。

 相手が歩行者の場合でも、こちらが30km/h未満なら止まってくれる。メーカーオプションで、価格は7万5600円(横滑り防止装置とセット)と非常にリーズナブルだ。今後スズキの軽には、これが装着可能なモデルがどんどん増えていくはずなので、要チェックである。

 それに続くのがダイハツのムーヴとタントに装備可能な「スマートアシストII」。その他の軽の自動ブレーキは、30km/hを超えたらまったく効かないものが大部分だ。自動ブレーキがついていれば安心、というわけではないので注意したい。

※週刊ポスト2016年2月5日号