今大会の日本はローテーション制を採用しているとはいえ、準決勝では、岩波がまさかのスタメン落ち。決勝の韓国戦で悔しさを晴らしたい。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大

 日本が五輪出場を決めた準決勝のイラク戦、スターティングメンバーに目を通した時、最も驚かされたのがCBの岩波拓也の名前が外れていたことだ。
 
 手倉森ジャパンに常に名を連ねてきた最終ラインの統率者は、重要な一戦でも先発が予想されたが、指揮官は奈良、植田を含めた3人で「高め合っている」とし、「だからローテーションするぞと岩波にも伝えた。もちろん決勝は岩波で行くつもりです」と試合後に説明。ただ、オリンピック出場を懸けた一戦でピッチに立てなかったのはやはり無念だったようだ。
 
「15歳から代表で使ってもらって、大事なゲームに出てきたなかで、あの大一番に出られないというのは本当に悔しかった」
 
 岩波は今大会、チームの結束を高めるためにある行動を起こしていたという。それが日本国旗をカタールへ持参し、全員の部屋を回り、メッセージを書き込んでもらうというものだった。その日の丸は毎試合、ロッカールームに張っているという。
 
「キャプテンを務めたU-17の時に、自分が旗を持って行って皆で一言ずつ書いて、ロッカーに貼ったんです。そうしたらまとまりが生まれたなと思いまして。今はキャプテンではありませんが、このチームがなかなか勝てずにすごく悔しかったですし、まとまりがこういう大会では絶対に必要だと思いました」とその経緯を語る
 
 ちなみに岩波が書いた言葉は「このチームで一日でも長くサッカーがしたい」。
 
 五輪出場は決めたが、強い想いは決勝へとつながった。
 
 韓国戦へ向けては「かなり長い時間みんなと一緒にいましたが、日に日にチームとして良くなっていると思います。出場権を勝ち取って少し落ち着いた印象もありますが、相手が相手なので燃えるものはありますし、絶対に負けられないです」と力強く話す。
 
 要注意人物として挙げるのは同僚のチョン・ウヨン(今オフ中国の重慶力帆FCへ移籍)から「良い選手」と聞いていたという22番のクォン・チャンフンだ。すでにA代表入りも果たしている。
 
 さらに「カウンターは速いし、日本と同じで技術が高い選手も多い。プラスアルファ高さがある選手もいる。気を付けたいです」と続ける。
 
 チームを牽引しながら攻守に幅広く関わるであろう岩波のプレーには注目だ。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)