「下町ロケット」にも出演した安田顕

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 大ヒットドラマ「下町ロケット」にも出演した俳優の安田顕が30日、都内で行われた主演映画『俳優 亀岡拓次』の初日舞台あいさつに出席し、ブレイクを感じられない現状を嘆いた。

 本作は、最強の脇役俳優・亀岡拓次(安田)の不器用な恋と生き方をユーモアとペーソスたっぷりに描いた笑って心温まる作品。安田にとっては本格的な映画初主演となる意欲作で、麻生久美子、戌井昭人(原作者)、横浜聡子監督も登壇した舞台あいさつには多くのファンが詰めかけ、立ち見になるほどの盛況ぶり。安田は「華やかな場所で、こういった立場でごあいさつできるというのは、わたしにとってはとんでもないことで、本当に感謝申し上げます」と感慨深げにあいさつした。

 安田は、亀岡同様名バイプレイヤーで、TBS系ドラマ「下町ロケット」で阿部寛演じる佃製作所社長を支える技術部長を熱演したことも話題に。いよいよ大ブレイクかと思われたが、安田は「ブレイクの意味は“休憩”ですからね。大ブレイクは大休憩中」とシニカルに笑うと、「もうちょっと感じさせてくれよと思いますね」と本音を吐露。

 この日は渋谷で支度し、山手線に乗って会場まで来たという安田は、驚く観客に向かって「当たり前じゃないですか。(山手線は)基本ですよ」とぶっちゃけると、「どれくらい気づかれ、ヤバイ、どうしようと思えるんだろか」と帽子を取ってつり革を持ち、堂々と立っていたことを明かすが、「ひとっつも気づかれない!」と悲しい叫びを上げる。そして、「(ブレイクの)実感はございません」と嘆くと、「もっと撮ってください」と報道陣にリクエストし、笑いを誘った。

 そんな安田を隣で見ていた麻生は、「全然こんなに面白い人じゃなかったです」と笑いが止まらない様子。撮影現場ではセットの一部か置き物かというほどじっとしていたそうで、麻生は「今はそのギャップにやられています」とにっこり。ブレイクの実感はまだのようだが、麻生をその魅力にはまらせることには成功したようだ。(取材・文:鶴見菜美子)

映画『俳優 亀岡拓次』はテアトル新宿ほか全国公開中