先日、自動車メーカーのマツダが本来の事業とは到底結びつかないような代物を開発して世間を驚かせた。それは「ゆで卵器」だ。単なる遊び心で作ったのかと思いきや、同社のモノづくりの精神を凝縮したという実に「ハードボイルド」かつ超ハイクオリティなアイテムなのだ。(イメージ写真提供:123RF) 

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 先日、自動車メーカーのマツダが本来の事業とは到底結びつかないような代物を開発して世間を驚かせた。それは「ゆで卵器」だ。単なる遊び心で作ったのかと思いきや、同社のモノづくりの精神を凝縮したという実にハードボイルドかつハイクオリティなアイテムなのだ。

 この情報はすぐさま日本のクルマ業界事情に敏感な中国のネット上にも流れた。そして、日本の自動車メーカーが「ゆで卵器」を作った意味について考える者が現れた。捜狐汽車は27日、「マツダの背後から、日本人の別の側面が垣間見えた……」とする文章を掲載した。

 文章はこの「ゆで卵器」が「実に精巧な作りであるとともに、非常に高い実用性を備えている」と評価。外観には高精度な自動車金属部品向けの鍍金技術が用いられているほか、1度に7個ゆでられる器の中心部には殻を割るための突起も付いているとした。また、「環境保護の理念も融合されており、鍋に2センチメートルほどの水を入れるだけでゆでることができるようになっている」とも紹介している。

 そのうえで、日本の文化産業にしろ自動車産業にしろ、さまざまな「奇妙な代物」を作りだすなかで、新たな分野を開拓したり、新たなアイデアを生んだりすると解説。そして、「これこそが『人を本位とする』ということではないか」とし、中国人にとっては大いに学び参考にする価値があると論じた。

 この「ゆで卵器」は市販目的で製造されたものではない。同社がクルマを作るうえでの思いや情熱を可能な限り注いで具現化した、シンボリックなものだ。文章が言うように、この究極の「ゆで卵器」から新たなアイデアが生まれるかどうかは分からないが、「人を本位とする」理念の結晶であることには変わりない。パクリや模倣をしているだけ、さらには単に「使えればいい」、「儲かりさえすればいい」という考え方では決して作ることができないのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)