韓国戦の予想フォーメーション。「5戦目までのシミュレーションはしていたが、6戦目は頭になかった」という手倉森監督。決勝ではどんな手を打ってくるだろうか。

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「オリンピック出場を決め、日本では祝賀ムードだが、勝つか負けるかでそれは一変する」
 
 韓国との決勝戦を翌日に控えた記者会見で、手倉森監督は力強くそう言い放った。2012年のロンドンオリンピックでは日本はベスト4と躍進したが、3位決定戦で韓国に敗れ、喜びは大きく削がれた。指揮官はあの落胆が再現されることを危惧している。
 
 だからこそ、一昨年のアジア大会でのリベンジを果たす意味でも「負けられない戦い」(手倉森監督)と位置付けているのだろう。
 
 決勝戦へ向け、まず確定しているのは「FWの鈴木武蔵は怪我で出られない」(手倉森監督)こと。またGKは今予選唯一ピッチに立っていない牲川を起用するのではとの憶測が飛び交ったが、「強いチームにはGKの正しい序列が必要だと思っている。自分のなかでは櫛引が一番手、(杉本)大地が二番手、そして三番手は牲川。その序列に対して決勝で三番手とはいかない。そういう話はGKコーチともしているし、牲川も理解している」(手倉森監督)と、守護神はこれまで通り、櫛引が務めることになりそうだ。
 
 また、準決勝のイラン戦では岩波ではなく植田と奈良をCBで起用した点を尋ねられると、「今は3人で高め合っている。もちろん決勝は岩波で行くつもりです」と指揮官が答えたことから、岩波の先発も固い。
 
 イラク戦に強行出場した遠藤は前日練習ではフルメニューをこなし、復調をアピール。その遠藤の相棒には準決勝の勝利の立役者となった原川がいるが、一昨年のアジア大会でPKを献上し、韓国に敗れた過去を持つ大島の想いを汲むことが考えられる。
 
 そうすれば、GK櫛引、最終ラインは左から山中、岩波、植田、室屋、ボランチに遠藤と大島、中盤2列目に中島、矢島、2トップに久保、オナイウというメンバーが導き出される。
 
 ただ、一方で「俺の直感でやります」「昨日くらいからは描けてきた」という指揮官の言葉を聞いていると、なにか驚くような韓国対策を打ってくるような気もしてならない。
 
 4-3-3を敷くであろう韓国ではインサイドハーフを務める7番のムン・チャンジン、8番のイ・チャンミン、両ウイングの10番のリュ・スンウ、22番のクォン・チャンフンが頻繁にポジションを入れ替え、パスを回しながら攻撃を仕掛けてくる。
 
 となると、中盤の守備力向上へ三竿、井手口を先発起用するか、アンカーを置く4-3-3を採用する可能性もあるだろう。中盤を3枚にした場合は遠藤、原川、大島を同時起用できるメリットもある。
 
 韓国は現在34戦無敗中と、結果を残し続けており、今予選ではどの試合でも先制点を奪い勝利してきた。ただ、今予選、常に先手を取ってきたのは日本も同じ。となれば、まずは序盤戦の攻防がひとつのキーと言えるだろう。
 
 果たして若き日本代表は五輪出場を心から喜んで日本へと戻れるのか、それともアジア最大のライバルに苦汁をなめさせられ、悔しさを抱えながら帰国の途に就くのか。
 
「勝つか負けるかでは大きく違う」(手倉森監督)決勝戦は日本時間30日の23時45分にキックオフされる。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)