中国の高速鉄道は安全確保のため、封を切った蒸留酒の持ち込みが禁止だ。安徽省の高速鉄道合肥駅で18日、封をしていない蒸留酒を持った男が持ち込みを断られると、ほとんど1本分の蒸留酒を、警察官の目の前でのみ干した。男は酔い、警察官に向い「自分は薬物も持っている」と言い出した。中国メディアの中安在線などが報じた。

 中国の長距離鉄道、特に高速鉄道は、安全確保のために航空機並みの持ち込み荷物の制限が行われている。中国人の間では「常識」になっており、2015年6月に営業運転中の東海道新幹線車内で男が焼身自殺を図り、本人だけでなく別の乗客1人も巻き添えで死亡した事件が発生した際には、中国で「日本の新幹線は乗車時に所持品検査をしないのか」と驚きの声が出たほどだ。

 中国では主に地方都市や農村部で、白酒(バイヂウ)と呼ばれる伝統的な蒸留酒が計り売りされている場合がある。最近では度数が20度台の白酒も多いが、もともとは40度から60度程度までと、極めて強い酒だ。水で薄めたりせず、そのまま飲むのが一般的だ。

 合肥高速鉄道駅では28日午後3時ごろ、荷物検査により男1人が「計り売りの白酒」を入れた瓶を持っていることが分かった。居合わせた警察官は、持ち込み禁止であることを説明し、男に放棄させようとした。

 しかし男は「ここで飲んでしまいます」と言いだした。ラッパ飲みだ。がぶがぶ飲む。とうとう瓶1本分、約500ミリリットルを飲みほしてしまった。男は、検査場を通過してよいかと警察官に聞いたが、警察官は「なんとなく不審だ」と思い、しばらく事情を聞くことにした。

 男は、急に酔いが回りはじめたようだった。ろれつも怪しくなった。そして男は警察官の手を引いて「こっちへ来てくださいよ」などと言い出した。少し離れた場所に行くと警察官に「私ね、薬物も持っているんですよ」と話した。

 ぐでんぐでんの酔漢の言葉ではあったがl、警察官としてそう言われた以上、見過ごすことはできない。男の身体検査をすることにした。すると下着の中からヘロイン3グラムが見つかった。警察は男の身柄を拘束した。

 取り調べに対して男は、ヘロインを持っていたので警察官の姿を見て緊張したと供述。警察官に声をかけられたことでさらに緊張し、酒が持ち込み禁止と言われた時には、「持っているとだめなのか」、「なくしてしまえばよい」、「飲み干せばなくなる」、「そうしたら、この場を離れることができる」としか思考できなかったと説明した。そんなに飲んでしまってからの自分の行動は予測できなかったという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)