「シニア男性は勃起するかどうかを心配するより、“今日は2回戦やるぞ”という意気込みでセックスに挑むべきですよ」
 こんな仰天発言をするのは、性感研究の第一人者で医学博士の志賀貢氏だ。

 50代の本誌記者などはすっかりED気味で、いまや1回でもきっちりとセックスをこなせられれば万々歳。2回戦なんて夢のまた夢だ。
 しかし、志賀氏はこう言うのだ。
 「完全ED(勃起不全)でない限り、男性は性行為が可能な体であればいくつになっても、2回戦はもちろん、3回戦だってできるんですよ」
 オイオイ本当かいな…。
 そこで今週は、医学的見地にもとづいた「シニアこそ2回戦!」について徹底検証した。

 まず知っておくべきことは、男性の性欲の仕組みだ。
 みなさんも経験があると思うが、どんなに性欲旺盛な若い時分であれ、一度射精すると、いわゆる“賢者タイム(急に性的欲望が失われて、賢者のように悟りを開いた気持ちになる)”を迎えていたはず。しかし実はアレ、動物としては当たり前のことなのだ。
 「セックス前後での男女の性欲の違いを、サルで調べた実験データがあります。それによると、オス猿は性行為終了後、とたんに脳の活動が、ほぼ静止状態となる。これは、睡魔に襲われているときと同じ状態です」

 我々人間も、確かに1回射精すると、急激に眠くなるものだ。
 「メス猿も一時的に脳の活動が低下するのですが、ほどなくしてまた活動が始まり、セックス中と同様の状態へ戻っていくのです」
 これも身に覚えがあるはず。性行為を終えてこちらはスッキリしているのに、女性のほうはしばらくしてオネダリしてくる、あの面倒くさい話。多くの男性がそうした女性の行動を“淫乱”などと考えるが、実は脳の活動の問題なのだ。

 さて、問題はここから。
 男性は射精後、脳の活動が静止状態になるが、これを素早く活動的にさせれば2回戦も可能になるという。
 「一番いいのは、1回戦終了後、すぐに熱めのシャワーを首の後ろ側に浴びせること。この部分を温めると眠気が取れやすいからです。それも面倒な場合は、ベッドで寝ながら足の指をグーパーしたり、足首を回せば同じ効果が期待できます」

 しかし、脳は活動的でも、2回戦は体力的&精力的に無理なのでは…。
 「よく、セックスをすると体力を消耗するなんて言いますが、ほとんどが気のせいです(笑)。セックスで使う体力は微々たるもので、駅の階段を上り下りする程度。精力も同じで、男性の性機能は、たまに2回戦やる程度の能力は常に持っているのです。ただ、1回の射精で脳の活動が一時的に休むため、疲れたように思うだけなのです」

 なるほど。2回戦ぐらいなら気持ちの持ちようなのだ。ここで思い出してもらいたいのが、冒頭の言葉。
 「EDの要因は8割が心因性。“俺はもうダメだ”という弱気が勃起不全を招く。だから最初からヤル気満々で構えたほうが、勃起力も強くなるのです」

 俺はいつでも最強! そんな心持ちで性春を謳歌しよう。

志賀貢
医学博士。内科医として診療する傍ら、260作以上の小説やエッセイを執筆。また、性感研究の第一人者で『かなりHな夜の教科書』(河出書房新社)など、医学的見地に基づいたセックス&口説き術にまつわる著書も多数ある。