写真提供:マイナビニュース

写真拡大

東北大学(東北大)と海洋研究開発機構(JAMSTEC)は1月28日、北海道〜関東地方の沖合のプレート境界断層の広い範囲で、人間が感じられるような揺れを起こさずにゆっくりと地中の断層がずれ動く「スロースリップ」という現象が周期的に発生していることを発見したと発表した。

同成果は、東北大学大学院 理学研究科/東北大学災害科学国際研究所 内田直希 助教、日野亮太 教授、海洋研究開発機構 飯沼卓史 研究員らの研究グループによるもので、1月29日付けの米科学誌「Science」オンライン版に掲載される。

東日本大震災をもたらした2011年東北地方太平洋沖地震のような大地震を発生させるプレート境界断層では、急激な断層すべりのほかに、人間には感じられないゆっくりとしたすべりであるスロースリップも発生していることが知られている。これまで関東以西のフィリピン海プレート上では、周期的なスロースリップの発生が知られていたが、東日本の太平洋プレート上では、主に断層深部で発生する定常的なすべりと、大地震の後にその周囲で発生し、時間とともにおさまっていく余効すべりという2つのタイプのスロースリップのみが知られていた。

今回の研究では、相似地震(小繰り返し地震)と呼ばれるプレート境界の地震と、日本列島の地表を覆うGPS観測網による地殻変動データの2つから、過去28年間の北海道〜関東地方の沖合のプレート境界でのスロースリップの速度の変化を調べた。

この結果、三陸沖の東部では、スロースリップの速度に約3年周期の変動が見られることがわかった。さらに、同地域のマグニチュード5以上の比較的大きな地震について調べると、これらの地震の数も約3年の周期的増減をもつととともに、スロースリップが発生している時期には約6倍もの地震が発生していることが明らかになった。同様な大規模地震とスロースリップの関係は、三陸沖西部を含め、解析された10地域中8地域で見られ、東北地方太平洋沖地震の発生時も、北部の領域でスロースリップの速度が増加している時期に対応していたという。

同研究グループは、スロースリップによる周期的な応力変化を考慮することで、大地震発生の予測を高度化することができる可能性があると説明している。