最後まで見入る!”紙”の動物たちが生きる世界を描いたハイクオリティCGアニメーション

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今回は、2013年に公開されて以来、各国のアニメーションフェスティバルで数々の賞を受賞している映像『Paper World』をご紹介します。

環境保全などを行うWWFハンガリーが公開した本作。3DCGを用いて、あえて”紙”でできたミニチュアの世界を表現しています。WWFはこの動画を通して、私たちにどのようなことを訴えたかったのでしょうか?

はじまりは、私たちが日常で使用しているデスク。

紙くずが転がっていくと、徐々に机の上が草原に変化。弱肉強食の厳しい自然界の様子が映し出されます。

すると突然、森は火事になり、動物たちは慌てて逃げます。

一方、鳥たちも居場所を追われ、オイルで汚染されて飛べない鳥も。

海の中では魚たちがゴミで汚れた中を泳いでいます。

そしてまた机の上の草原へと戻ってくると、”We are all connected(私たちは皆つながっている)”というメッセージで動画は終わります。

ご覧のとおり、本作品ではメタファー(隠喩)を多用しています。デスクまわりを1つの世界に見立て、机を草原に、タバコの火を山火事に、インクを汚染オイルに置き換えて表現しているのです。ディレクターのRuska氏とRingeisen氏はこのように語っています。

 この映像の中心となるモチーフは『人間の住む世界と自然界との微妙な関係性』です。
WWFが重視しているさまざまな問題をメタファーで描写し、その1つ1つのシーンがすべて密接に関係している1つの「旅」として表現しました。

(※補足)WWFでは「世界の生物多様性を守る」「再生可能な自然資源の持続可能な利用が確実に行なわれるようにする」「環境汚染と浪費的な消費の削減を進める」の3つの使命を唱えています
ーーhttp://www.stashmedia.tv/ringeisen-ruska-wwf-paper-world/より抜粋 

この複雑な旅のストーリーを表現するために用いられているのが3DCGです。
しかし本動画が訴えるテーマはあくまで現実世界で起こっている事象。そこで生物や自然を”折り紙”で表現することで、デジタル映像の中に生物の温度感を生み出すと同時に、私たちにとって生物や自然が身近なものであり、壊れやすく、危ういものであることを伝えています。これも一種のメタファーと言えます。

このように、自然界のさまざまな事象や問題を、私たちに日常的な存在であるデスクの上で繰り広げることで、WWFの考えを身近に感じてもらうことに成功している本作。見る人の想像力をかき立てる高い創造性とクオリティが数々の受賞につながったのでしょう。

企業:WWFハンガリー
タイトル:Paper World
目的:啓蒙