58分間“無音”の異例音楽映画、音楽とは?の奥にある“何か”へ迫る。

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環境音・効果音は一切なし、音のない世界が58分間続く異例の“無音”音楽映画「LISTEN リッスン」が、5月より渋谷アップリンクほか全国にて順次公開することが決定した。

本作は、全員が聾者によって制作された“無音”の音楽映画。出演者は楽器や音声を介さずに、手話を始めとした全身の身体表現により、視覚的に「音楽」空間を創り出していく。彼らはインタビューで各々に「音楽が視える」と語り、「魂から溢れ出る“気”のようなもの」から「音楽」を感じると答える。手話言語を通じて日常的に熟達した彼らの身体表現は、「音楽とは?」という問いのさらに奥深く、人の内面から滲み出る内なる“何か”へと迫っていく。

既存の「音楽」の概念を崩し、聾者たちが無音の状態から創り出す「音楽」の映像化を試みた実験的映像詩(アート・ドキュメンタリー)の本作。監督は聾者の両親を持ち、自身も聾者である新鋭監督・牧原依里と、映画「私の名前は…」(監督:アニエスベー)に出演するなど国内外で活躍する舞踏家・雫境(DAKEI)の2人が務めた。聾のアイデンティティーを持つ2人の共同監督のもと、「音楽」と「生命」の新たな扉を開いていく。

そんな本作は2014年6月から構想を始め、牧原依里・雫境の共同監督のもと自主制作で2015年末に完成。劇場公開は決定したものの、プロモーションの資金が不足している状態にあるという。また、出演者とスタッフはほぼ全員が聾者で構成されており、観客には聾者・聴者の両方を想定。イベント上映時にはトークショーも予定され、より正確に作品に関するコミュニケーションをとるために、高度な通訳技術を持った手話通訳者が必要になる。これらの資金調達のため、1月28日(木)より、クラウドファンディングサービス「READYFOR」にて約2か月半にわたるクラウドファンディングを実施(目標金額:1,900,000円)。幅広く支援を募っている。

映画「LISTEN リッスン」は、5月より渋谷アップリンクほか全国にて順次公開。