台湾の馬英九総統は28日、軍用機を利用してしてスプラトリー諸島(南沙諸島)で中華民国として実効支配する太平島に上陸した。中国政府の報道官は、共にひとつの中国なので、共同で国家主権と領土の完全性を維持する責任があると述べた。米国政府関係者は、行かないよう事前に伝えていたと述べた。民進党所属の蔡英文次期総統は、馬総統側から「誘い」を受けたが断った。(イメージ写真提供:(C)Shih−Hao Liao/123RF.COM)

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 台湾の馬英九総統は28日、軍用機を利用してスプラトリー諸島(南沙諸島)で中華民国として実効支配する太平島に上陸した。中国政府の報道官は同上陸について、台湾も大陸もひとつの中国なので、共同で国家主権と領土の完全性を維持する責任があると述べた。米国政府関係者は、行かないよう事前に伝えていたと述べた。民進党所属の蔡英文次期総統は、馬総統側から「誘い」を受けたが断った。

 馬総統は台湾軍のC-130輸送機を利用して、太平島を訪れた。訪問の目的については「春節(旧正月)前の駐在人員への慰問」、「南シナ海イニシアチブの発表」、「太平島の平和利用を説明」、「太平島の法律上の地位を明らかにする」と説明した。
 馬総統は太平島について「人類の居住と経済活動が可能な島で、岩礁ではない」、「国連海洋条約により、領海だけでなく排他的経済水域も設定される」などと述べ、中華民国は長期にわたり太平島を管理してることは、主権の行使の明確な証明などと論じた。

 中国政府・国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官は27日の時点で、「馬英九総統は、中国が南シナ海の島について争う余地のない主権を有することを示すために、太平島を訪れた。(台湾海峡の)両岸は1つの中国であり、両岸の同胞は共同で国家の主権と領土の完全性を維持する責任がある」と述べた。

 馬総統の太平島訪問で、中国側は南シナ海の領土問題と台湾統一の問題の両方で、自国の主張をアピールすることができた。

 米国は台湾と外交を持っていないが、事実上の大使館と言えるの米国在台湾協会を台北に置いている。外交特権を持ち大使と同様の立場である同協会台北弁事処(台北事務所)処長を2002年から06年まで務めたダグラス・ポール氏は、馬総統の太平島訪問について、事前に取りやめるよう申し入れていたと説明した。

 周辺国の指導者が南シナ海で実効支配する島に次々に訪れる先例になるとの理由によるという。馬総統は2015年12月にも太平島訪問を計画していたが、取りやめた。ポール氏によると、米国側は馬総統が計画を最終的に断念したと誤解していたという。

 馬総統は次期総統に決まった民進党の蔡英文主席(党首)に対して、軍用機に同乗して太平島に行くよう求めた。蔡主席側が異なると、馬総統側は民進党の代表として太平島に馬総統と同行する人を選んでほしいと要請したが、やはり断られたという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)Shih-Hao Liao/123RF.COM)