存在は地味だが、少数派への優しさでは光る

写真拡大

同性愛者など性的少数者(LGBT)を支援する英国の人権擁護団体「ストーンウォール」は2016年1月19日、LGBTの平等に配慮した職場環境の調査結果を発表、最も働きやすい組織1位に内務省情報局保安部(MI5)を選出した。

ライバルMI6の陰で地味だったスパイの長官が小躍りした

調査は12年前から行われている。400を超す英国の政府系組織や大企業を対象に、LGBTであることの公表に抵抗がないか、上司からの支援があるか、待遇に差別はないかなど10の分野を従業員から直接聞き取り調査した。

MI5は対テロや防諜活動に従事する情報機関で、約4000人の職員を抱える。ライバル機関の情報局秘密情報部(MI6)が国外の情報活動に従事するのに対し、国内の情報収集が専門だ。映画の世界でも、MI6は「007」のジェームズ・ボンドが所属し派手な活躍で人気だが、MI5のエージェントが主人公になった例は、2011年制作の「MI5:消された機密ファイル」(原題『Page Eight』)くらいのもので、しかも日本未公開という地味な存在だった。

しかし、25年前に性的少数者の採用禁止を解除、女性の登用にも努めてきて男性中心の組織というイメージの払しょくを図ってきた。今回の1位決定に、MI5のアンドリュー・パーカー長官は「われわれは、誰であれ最も優秀な職員の能力に頼っており、多様性はMI5に不可欠だ」と誇らしげに語った。

脚光を浴びてよほど嬉しかったのだろう、情報組織の長官が公式にコメントするのは極めて稀だと英メディアは報じている。