日本では、新品時だけ価格が異常に高く、中古になると値段が大きく下がる。

だが、それを使うときの価値は新品とさほど変わらない。この中古価格と使用価値との歪みに着目すれば、誰でもお金持ちになれるというのが『ベンツは20万円で買え!』の内容だ。「新品神話」を抱く日本人に多くのヒントを与えるエッセイの一部を紹介しよう。

不動産があれば
ダメ人間でも再生できる

 かつて、ムービースターを夢見て、ハリウッドで200本ものオーディションを受けていた。

 マドンナやジャネット・ジャクソンのミュージックビデオ、コカ・コーラやホンダなどの大手企業のCMにも出演し、高額な報酬を受け取ったこともあった。前半は調子がよく、アメリカの芸能界を甘く見ていた時代もあったが、後半は仕事が激減、財務がタイトになった。ホームレス寸前だった。根性で乗り越えようと思ったが、飢えには勝てず、挫折。アメリカで全財産を使い果たし、玉砕寸前で帰国した。夢のカリフォルニアどころか、むしろガダルカナル状態だった。

 そんな恥ずかしい過去を持つワタクシでも、現在、なんとか再生できたのは、中古車と不動産のおかげだと思う。安い中古車を乗り継いで、不動産を購入する資金を貯めた。

 帰国後、故郷の北海道で、つとめ人として再生を試みたが、過酷な労働の割に激安の給料で、貯金をする余裕もなかった。なにか根本的なシステムが違っていることに気づき、裕福になる方法を模索した。

 その準備として、まず大東亜戦争時の「欲しがりません勝つまでは」の精神で、安い中古車に乗り、決戦に備えてキャッシュを温存した。のちに、決戦とは、中古の家を買うことだと気づいた。

 現在は11台のクルマと8軒の一戸建を所有している。ほかには、アパートメント、商業ビル、店舗、貸駐車場がある。少しだけ生活が楽になった。

 ほとんどの場合、クルマと家がほぼ同時に手に入る。ただし、購入する順番を間違えてはいけない。最初に安い中古車を買い、節制に励む。そのクルマに乗って、安くて優良な不動産を探し当てる。不動産が複数に増え、ようやく利益が出てきたときに、今度は減価償却のために新しい中古車を買うのだ。この作業をバカみたいに繰り返すだけだ。

 安い家を買って、貸家にする。キャッシュが貯まったら、また安い家を買って、それを貸す。このシンプルな方法を続けていけば、月100万円くらいのキャッシュが自然と手に入るようになる。そうすれば、自分の好きなことだけをして暮らしていける。

 ハリウッドでオーディションを受けてきたときとは逆に、今度はワタクシが中古車と中古住宅のオーディションを実施しているのだ。

 もう、新築の家に住み、新車に乗るために、つとめ人として頑張らなくてもいい。