福井県大野市と東ティモールを水で結ぶプロジェクト

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福井県大野市は人口減少対策の一つとして、同市の財産でありアイデンティティーでもある「水の恵み」を世界に向けて広く発信することで地域活性化を目指す「Carrying Water Project(キャリング ウォーター プロジェクト)」を進めている。

同プロジェクトの一環で、国際連合児童基金(ユニセフ)と協力協定を結んでいる公益財団法人・日本ユニセフ協会(東京都港区)を通じて「清潔で安全な水源の確保」が困難という東ティモールに支援を行い、その一方で世界への発信にも努めるという。

標高の高い水源に水道管をつなぎ、人が住む地域まで水を引く

大野市の岡田高大市長は2016年1月27日、東京都内で日本ユニセフ協会の赤松良子会長と会い水支援事業に調印した。事業の主な内容は、標高の高い場所にある湧き水や泉などの水源から、標高の低い人が住む地域までをパイプでつなぎ、重力を利用して水を供給する「重力式給水システム(GFS)」を設置するというもので、大野市は3年間にわたり年間10万ドルを拠出する。

大野市は清潔で豊かな湧き水が豊富に出ることで知られる。「キャリング ウォーター プロジェクト」は「市民との共同PR」「専門人材の育成・教育」「地域産品振興」「自然環境保全」を柱に、市民と協働で祭りやマラソンなどイベントを通じて大野の水を国内外にPRする活動を展開してきた。東ティモールへの支援は、水に関して困難を抱えている地域との交流・支援を通じて大野市民が「大野市=水で未来を拓くまち」という意識を再確認することを狙う。

日本ユニセフ協会によると東ティモールは清潔な水源を利用している人の割合が約70%と、アジア諸国の中でも低い水準にある。清潔な水を確保するために子供たちが水汲みに駆り出されることがあり、そのせいで学校に行く時間が削られる子どもがいる、という問題も起きている。GFSの設置によって、子供たちを取り巻く生活環境の改善を図る。