一部の量販店では、すでに実質0円の廃止を煽り文句にMNPや機種変更を促す例もある。段階的に価格が上がる可能性こそあるが、即座に全面廃止に至るかは疑問が残る。
 格安SIMが着実にユーザー数を増やす一方、大手3キャリアのスマートフォン使用料は依然、高止まりを続けている。そんな状況のなか、昨年12月に総務省が大手3キャリアに対してスマートフォンの料金や端末販売に対する要請を行ったことで、安価な料金プランの導入や端末の販売方法の見直し対する動きが活発化してきている。そもそも日本のスマートフォン使用料は本当に高いのか? 世界の通信事情を比較してその実情を探ってみることにしよう。

◆世界基準で見れば実はそんなに高くない!?

 月に数千円もの維持費が発生する日本のスマートフォンだが、まずは従来の携帯電話(ガラケー)との価格差に加え、世界の主要7都市の使用料を比べてみよう。比較条件は以下の4通り。なお、比較対象とするキャリアは、各都市でシェアトップの事業者で、東京ではdocomoとなる。また、データ通信プランの容量は、各都市の事業者ともにdocomoのプランに近いものを比較対象としているが、データ通信容量に多少の増減がある。

・条件1 ガラケー
東京:タイプSバリュー、ファミ割MAX50適用
他都市:標準的なユーザーモデルに基づくプランから算出

・条件2 スマートフォン(通信容量2GB程度)
東京:カケホーダイプラン+ISP料金+データSパック(2GB)
他都市:上記条件に近い各年の一般的なプランから算出

・条件3 スマートフォン(通信容量5GB程度)
東京:カケホーダイプラン+ISP料金+データMパック(5GB)
他都市:上記条件に近い各年の一般的なプランから算出

・条件4 スマートフォン(通信容量8GB程度)
東京:カケホーダイプラン+ISP料金+データLパック(8GB)
他都市:上記条件に近い各年の一般的なプランから算出

⇒【資料】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=79829

 ガラケーの料金に関しては、東京は世界的に見ても安価な部類に入ることが確認できる。ただ、ガラケーからスマホに乗り換えた場合は、通信容量がもっとも少ない2GBのプランを選択しても維持費がグンと高くなることが分かる。そのため、ガラケーからスマホに乗り換えたユーザーの大半は、料金が高くなったと感じてしまうのだ。実際には、各種割引が使えたりMNPなら大幅な値引きがあるとはいえ、ガラケーと比べると倍以上の維持費は避けられないのが現状だ。

 しかし、これも世界の主要都市と比較してみると、スマートフォンの使用料そのものは7都市の平均値に近い価格となっている。消費税や付加価値税の税率が東京は最低の8%、欧州勢は20%台の課税があるにせよ、5GBプランであれば主要都市平均よりも安く利用することができる。日本のスマートフォン使用料は、ズバ抜けて高いという訳ではないのだ。

◆新プランが発表されるも、得をするのは限られたユーザーのみ

 事実上、総務省からの値下げ指示とも言える要請にいち早く反応し、4月以降に提供される新プランを発表したのがソフトバンク。主にライトユーザーをターゲットとした1GBのデータ通信に5分以内の通話なら掛け放題の「スマホ放題ライト」のセットで月額4900円といった内容だ。1GBの通信容量を超えた場合は、128Kbpsまで速度が制限されるが、1GBあたり1000円支払うことで高速通信を行うことができる。

 端末代金を除けば5000円以下で利用できるため3大手キャリアの中では安価な料金プランといえるが、外出先で頻繁に利用するユーザーや音楽やYouTubeなどのマルチメディアコンテンツを利用したりする機会があるなら、あっという間に使い切ってしまう可能性が高い。

 また、2GBや5GBと言った従来のプランの値引きもなく現状維持となるため、恩恵を受けられるのは、ほとんどスマートフォンを使わないユーザー、もしくは利用頻度に波があって頻繁に使う月は容量追加で対応するといったユーザーのみとなる。