愕然…妻に対してだけEDだという男たちの言い分「VERY」妻だけED座談会

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既婚女性向け雑誌「VERY」2月号にすごい特集がある。「妻だけED男性」を集めた座談会だ。コーナーのタイトルは「あの『妻だけED』座談会から3年半 レスな夫たち、再結集!」。2012年7月号の「しのびよる『妻だけED』の真実!」に登場していた妻だけED男性を再度集めて、近況を語ってもらうというコーナーである。
「妻だけED」とは、言葉の通り「妻に対してだけEDである」ということ。つまり、妻以外の女性とはセックスをしている(もしくはしたい)が、妻に対してはセックスする気が起きない(もしくはセックスできない)ということだ。「妻だけレス(セックスレス)」とも表記されている。
座談会に登場するのはいわゆる「ハイスぺアラフォー」男性。人材紹介会社勤務統括マネージャー・ミック冨家さん(39歳)、外資系貿易会社勤務関連会社取締役・井川鉄さん(45歳)、映像制作会社勤務取締役・宮原拓人さん(44歳)、外資系人材ヘッドハンター・草壁強さん(41歳)……みな社会的地位もあり、年収も高そうだ。
3年半前のコーナーでは、悪びれずに「妻だけレス」を語っていた彼ら。時間の経過は彼らにどんな変化をもたらしたのだろうか。


「わかってくれている」はずの妻の心変わりに動揺


時の流れは、彼らの状況を確かに変えていた。
たとえば、妻からの妊活プレッシャーのためにセックスレスになっていた宮原さん。自身の身に起こったことをとうとうと語る。
「実は、離婚しました」「ある日、突然でしたね。それも『好きな人ができた』と」(宮原)
結婚15年目、宮原さんにとっては青天の霹靂だった。インタビュアーに「おそらくそこに至るまでに奥様は何かサインを発していたはず」と尋ねられての返答がこれだ。
「いや、放ったらかしている、という気持ちは毛頭ないんですよ。むしろ、たっぷりの愛は伝わっているはずだという……」(宮原)
「すごくわかります。15年間も忙しい自分のことを支えてくれているのはすべてをわかったうえで、応援してくれているものだ、と男は思いがちです」(草壁)
同調する参加者たち。彼らは「なんの態度も示していないけれど、妻は自分のことをわかってくれているはず」という謎の確信を持っている。
「毎日同じことの繰り返しかもしれないけど、このささやかな毎日の生活がどれだけ大事なものか、社会的責任が大きくなればなるほど、案外、男はその価値に気づいて、言葉に出さないけど妻には感謝しています。だからこそ、妻も同じように感じているはずだという」(草壁)
「それは男のおごりというか、何というか。身勝手だとわかりつつ、言葉にも行動にもださない。一方で、じゃあ、毎日花を買ったり、好きだと言ったり、態度で示したら伝わるのか?という思いもあります」(宮原)
やってから言えよ、という感じである。
「例えば高級なペンダントで愛を示すよりも、うどんをふたりですすっているような、どうでもいい日常を共有することのほうが夫婦の愛が深まった証拠とは思ってもらえないものなんですかね。そういうレベルの関係に至れないことを補完するために、おいしいメシ、歯の浮くような口説き文句、金のかかるシチュエーションが必要なのであって……」(宮原)

気持ちに潤いを与える「食事だけフレンド」(キスはします)


妻に対しては、コストをかけて愛を示したくない夫たち。妻から誕生日に長文のメールが来ても「うちの妻は何かやましいことをしているのか」(井川)と勘繰る始末。しかし妻以外の女性にはそれができる。
「私は、いま10歳以上年下の『食事だけフレンド』がいます。仕事関係で知り合ったということもあり、月1回楽しく食事だけして一線を越えない。(中略)月1とはいえ、気持ち的に潤いをもたらしてくれています」(ミック)
仕事関係の年下女性で、精神的な恋人気分を味わうミックさん。そこに宮原さんは「でも別れてもいい、くらいに思っているからご馳走したり、ちやほやしたりできるのでは?」と尋ねる。
「それはあるかも。でもキスはしました」(ミック)
読んでいていちばんコケそうになったのはここだ。
キス、してるのかよ!
「食事だけフレンド」じゃないのかよ!
責任はとりたくない、めんどくさいことにはなりたくない、でも恋愛っぽいことはしたい。そんな気持ちが生み出すのが「キスはしてる」「食事だけフレンド」。彼らは結婚してアラフォーになっても、自分がまだ恋愛のステージに立っていると思いたがっている。彼らにとって「恋愛と結婚は別物」なので、恋愛する相手は妻ではなく、他の女性なのだ。
座談会後半は、お互いがお互いの「社会的な圧倒的成長」を褒め合い、「妻は俺たちの『成長』に取り残された気持ちになっているのでは?」という仮説をもって終わる。

「妻とのセックスは恥ずかしい」これが男性の総意?


座談会だけではなく、寄せられたコメントやコラムもすごい。
『できる男は不倫する』の著者松岡宏行は「男同士の飲み会では、愛人とのセックスは自慢になるが、妻とのセックスはむしろ恥ずかしいこと。結婚10年後も妻とのセックスが楽しみだなんて言ったら、おそらく変態扱いでしょう」と断言。
「六郎丸逃」を名乗る覆面中年編集者が語る内容はこうだ。
「『妻だけED男』が必ず言うことがふたつあります。ひとつは、『妻のことを愛している。人格的に。男の場合、愛と性は次第に分かれていく』。(中略)でも、ほんとうのことなのだから仕方ありません。動物学的にそのようにプログラムされているのです」
「(偏見ですが、妻とセックスしているのは『モラハラ系』か『DV系』、という『偏見』が男にはあります、妻とセックスしているのは負け組、という意識もあり、してるのに『してない』虚勢を張っている偽『妻だけED』も存在します)」
つらい。
彼らが「男はみんなこうだから」という気持ちを疑っていないのがつらい。そうでない男性、そう思っていない男性は世の中にいくらでもいるが、そういう人の存在は彼らには「負け組男の意見」として見えないものになるのだろう。

妻だけEDおじさんが描かれる『地獄のガールフレンド』


妻だけEDを誇らしげに語る男性たち。たとえそれをきっかけにして妻の気持ちが自分から離れても、むしろ妻に対して「どうして俺の愛情が伝わらないんだ」と嘆いてみせる。
彼らの姿が第三者から見るとどのように描かれているのか、よくわかる漫画がある。鳥飼茜の『地獄のガールフレンド』だ。


『地獄のガールフレンド』は、バツ1シングルマザー、仕事一辺倒のセカンドバージン、貞操関係ゆるすぎのモテ女の3人が「利害の一致」で同居する物語。1巻に収録された11話では、ゆるカワモテ女の奈央(36歳)が合コンに向かう。
その場にいたのは色男風の既婚者。奈央を口説く。
「まあ子育ても事業もひととおり経験したからね…次は ナオちゃんみたいな若くて魅力的な女のコが 育っていくのを隣で見ていたいよね」
奈央はこう返していく。
「下のお子さん小学生って まだ子育てまっさい中ですよね?」
「ん…? いやぁずいぶん手もかからなくなったよ」
「でも誰かが面倒みてるワケですよね? 奥さんは 家(ウチ)にいる奥さんは魅力的な女のコじゃないですか」
「奥さんは女のコっていうより…戦友かな 家を運営する仲間っていうかね 僕が外で自由に生きてる分 苦労はさせてないつもり…同志としてね 僕はだから…ナオちゃんとは純粋に…『男と女』になりたい」
VERYの座談会でもさんざん見たこの理屈! 奈央は彼に向かって、笑顔で呟く。
「なんかくさい 自分勝手なオジサンの臭いがする……」

(青柳美帆子)