[1.26 リオデジャネイロ五輪アジア最終予選準決勝 U-23日本 2-1 U-23イラク アブドゥッラー・ビン・ハリーファ・スタジアム]

 絶対に来ると信じていた――。序盤はイラクに押し込まれる時間帯も作られたU-23日本代表だったが、前半26分に一瞬の隙を突いてカウンターを発動させる。左サイドを駆け上がったFW鈴木武蔵(新潟)のグラウンダーのクロスに飛び込んだのが、FW久保裕也(ヤングボーイズ)だった。

 日頃のトレーニングから、シュート練習では正確なミートで次々とネットを揺らしていた。しかし、本人は「まあ、練習なんで。本番で決めないとと思っています」と練習ではなく試合で決めてこそ意味があると話していた。そして、FWである以上、当然のようにゴールへの強い意欲を示し続ける。「前線の選手としては点を取りたい。チームが勝つためにできるだけ多く点を取らないと」と。

 そして、五輪出場が懸かった大一番で点取り屋は、きっちりと結果を残す。左サイドで鈴木がドリブルを開始すると、「絶対に来ると信じていた」と迷わずゴール前へと駆け上がり、グラウンダーのクロスに対して「うまく走り込めたので合わせるだけだった」とスライディングで合わせて流し込み、値千金の先制ゴールを奪った。

 前半43分に同点に追い付かれたものの、その後も前線で基準点になろうと体を張るだけでなく、前線からの激しいチェイシングで相手最終ラインから自由を奪おうと守備でも奔走した。後半33分にピッチを後にしたが、後半アディショナルタイムにMF原川力(川崎F)の劇的な決勝ゴールが生まれ、チームは2-1の勝利を収めて五輪出場権を獲得した。

「リオを決めたのが一番うれしいです。最高ですね」と満面の笑みを浮かべつつ、まだ試合は残っていると気を引き締め直す。「(手倉森誠)監督が言っていたとおり、今大会の目標は優勝だし、優勝と2位では全然違うと思うので最後にしっかり勝ちたい」。次はチームをアジア王者へと導くためにゴールを狙う。

(取材・文 折戸岳彦)


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