セカンドボールを拾って左足を一閃。チーム立ち上げから名を連ねる原川が、リオの扉をこじ開けた。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 勝てばリオ五輪出場が決まる準決勝のイラク戦、1-1で迎えた後半アディショナルタイムに浅野の落としを受けた南野が、ゴール前へクロスを上げる。ボールは一度、GKにクリアされるが、そのこぼれ球を待っていたのが背番号7だった。
 
「右からプレッシャーが来ているのが分かったので、左に置いてそこからはなにも考えていなかったです。枠に収めようと思っていました」
 
 右足でワントラップして、左足を一閃。強烈なボールはネットに吸い込まれた。リオ五輪出場を決める、まさに歴史に残る決勝弾。殊勲の原川は直後にチームメイトたちの荒い祝福を受けた。
 
「目標を達成できたことが非常に嬉しいです」
 
 試合後、大きな喜びを表わす。
 
 2014年1月、手倉森ジャパンの初陣となったU-22アジア選手権のイラン戦で初ゴールを決めたのは原川だった。そして五輪出場が懸かった重要な一戦で最後に結果を残したのも原川。手倉森ジャパンとともに歩んで来たボランチの運命的な活躍は、遠く重かったリオへの扉を押し開けた。
 
「サンガで試合に出られていない時も呼んでもらっていて、恩返しをしなくてはいけないと思っていました。こういうところで決められて良かったです」と本人も語る。
 
 ちなみに先制ゴールを挙げた久保とは同じ山口県で小学校、中学校時代を過ごし、京都の下部組織で研鑽を積み、トップチームでもともにプレーした旧知の仲。大事な一戦でアベックゴールを奪ったところにも奇妙な巡り合わせを感じる。

 ただ注目を浴びる活躍を見せた原川だが「90分を通して考えたら特になにもできなかったですし、そこはこだわってやっていきたい。ミスも多かったです。まだ1試合あるので課題を修正したいです」と反省を口にする。

 続く決勝戦では韓国と対戦する(日本時間1月30日23:45)。ここで原川がさらなる輝きを見せ、今後へとつなげていくのか。“五輪出場に導いた男”の進化に注目したい。
 
取材・分:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)