キム・ヨナとパク・クネ

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 パク・クネ大統領を支持する“親パク派”議員がフィギュアスケートのキム・ヨナに接触し、「政界へと勧誘した」という報道が話題になっている。パク大統領の支持率が下げ止まりする中で、親パク派が奇策に走ろうともがいている様相だ。

 韓国大手メディア、中央日報は1月25日、“非パク派”議員のコメントとして、「(親パク派の)院内代表がキム・ヨナに政治をする気があるかどうか打診したのだが、失敗した」と報道。このコメントの真偽は定かではないが、多くのメディアが「(与党)セヌリ党内において、親パク派と非パク派の内紛が爆発寸前」と分析した。
 
 これを受け、ネット民たちは「この報道が事実なら、セヌリ党はまともな判断ができていない」「フィギュア女王をスカウトなんかして……」などなど、セヌリ党を非難するコメントをネット上に多数書き込んだ。
 
 韓国におけるキム・ヨナは、今でも絶対的な存在だ。
 
 2018年に韓国・平昌で行われる冬季オリンピックでは広報大使を務めており、1月18日から公開されている宣伝動画では、スケーティングする姿を披露して話題に。また、最近行われた若者5万5,000人を対象にしたアンケート「会ってみたい英雄11人」でも、各界の著名人を押しのけて堂々ランクインした。昨年12月17日に国会議員会館で開かれた「2015国家ブランド大賞」授賞式では、大賞を受賞している。

 好感度が高く、老若男女に支持されるキム・ヨナを自分の党に引き入れることができれば、パク大統領の下げ止まりした支持率にも回復の兆しが見えるかも……と考える発想は理解できなくはない。日本では、10年の参議院選挙に柔道の谷亮子が民主党から出馬した事例があるが、それと同じようなことだろう。

 キム・ヨナがスカウトを断った理由として、政界に興味がなかったとも考えられるが、そもそも彼女はパク大統領を嫌っているという話もある。

 それは、昨年8月15日にソウル・ワールドスタジアムで行われた「光復(独立)70周年記念行事」を見れば推し量ることができよう。同行事のフィナーレでは「我らの願いは統一」という歌を大合唱しており、パク大統領とキム・ヨナもステージに登場。パク大統領のすぐ右側にキム・ヨナは立っていたのだが、ほほえんで話しかけようとしている大統領をキム・ヨナは知らんぷり。さらに、手をつなごうとしたパク大統領の手を握り返すこともなく、終始ぎこちない様子を見せたのだ。テレビ局、チャンネルAなどは「キム・ヨナはなぜ、パク大統領によそよそしかったのか」という特集まで組んだほど。

 野党はもちろん、与党内でも非パク派の反対を受けて苦しい状況が続くパク大統領。報道された通り、もしキム・ヨナのスカウトにも失敗していたとしたら、いよいよ八方ふさがりなのは間違いないだろう。キム・ヨナにしてみれば、迷惑極まりない話だが。