例えば、自分がラーメン屋を経営していたとする。別段美味しくないのに、近所に競合店がないゆえそこそこ客が入っていたとしよう。しかしある日、川向うにあるラーメン屋のスープが「神」だと評判になり、常連客がわざわざ電車に乗って食べに行くようになった挙句、両者の比較を始めて「わが街のラーメンは……」などと言い出したら、店主としてどう思うだろうか。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 例えば、自分がラーメン屋を経営していたとする。別段美味しくないのに、近所に競合店がないゆえそこそこ客が入っていたとしよう。しかしある日、川向うにあるラーメン屋が「神ラーメン」だと評判になり、常連客がわざわざ電車に乗って食べに行くようになった挙句、両者の比較を始めて「わが街のラーメンは……」などと言い出したら、店主としてどう思うだろうか。

 中国の医薬品業界は今、まさにこのラーメン屋と同じ心持ちでいるはずだ。中国メディア・人民網は23日、湖北省で行われた同省医薬業界組合の会合において、組合の会長を務める武漢人福医薬集団の王学海董事長が「中国人が日本に薬品を買い漁りに行くというのは、医薬界にとっての恥辱。国内の薬品企業は、技術革新によって発展の道を求めなければならない」と感情を高ぶらせながら語ったと報じた。

 記事は「日本の薬品の多くは原材料を中国から輸入しているにもかかわらず、中国人が日本に薬品をこぞって買いに行くのを止められない状況」、「悪いのは消費者か、それとも薬品企業なのか」としたうえで、王董事長が「薬品企業が自ら反省する必要がある」とコメントしたことを紹介。感冒薬を例にとり、日本製品は子どもでも飲みやすいよう味やデザイン、パッケージが工夫されているのに対し、国産品は「苦くて騙し騙し飲ませなければならない」と指摘したうえで、「結局のところ、企業のイノベーションを奨励して、製品に含まれる技術的な価値を高めなければならない」と訴えたと伝えた。

 冒頭に挙げたラーメン屋の例え話にしろ、中国の医薬品業界にしろ、この現状に「悔しい、恥ずかしい」という思いが湧いてこないとしたら、将来はないだろう。もし「恥辱だ」と憤ったならは、今度はこれからどういった手法で「雪辱」を果たすつもりなのかが問われることになる。熱心にイノベーションに取り組むのか、当局に泣きついて規制をかけてもらうのか。彼らが進む道は、どの方向にあるのだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)