ヒーローは突然、体調不良に襲われた。19日に行われたグループリーグ第3節サウジアラビア戦で決勝ゴールを奪ったU-23日本代表最年少の19歳MF井手口陽介(G大阪)は、試合後に「まだまだやれる」と語り、次戦以降のさらなる爆発を予感させていた。

 しかし、22日の準々決勝イラン戦を発熱のためにメンバー外になると23日、24日と練習場には姿を現さずにホテルでの静養が続いた。そして準決勝イラク戦前日、久し振りに練習に参加したものの、冒頭25分の公開練習では途中から全体練習を離れたように、翌日に控えるイラク戦の出場は厳しい状況だ。

 イラン戦前日に37度8分の熱が出て、一時は37度2分まで下がったものの、イラン戦翌日には38度台まで上がり、「最高は39度9分」まで熱が出た。その影響もあって、「イラン戦はホンマにしんどくて、テレビも見られへんくらいで、ずっと寝ていました」と明かした。

 チームが延長戦の末に3-0の勝利を収めて準決勝に進出したことには「本当に雰囲気が良いので負けることはないと思っていたし、本当にすごいと思います」と喜びを表しつつも、その場に自分がいなかったことに「情けない」と唇を噛んだ。

 準決勝イラク戦の出場は厳しいのかもしれない。しかし、チームが勝利すればアジアの頂点を決める決勝へと駒を進める。「少しでも早く復帰できるように頑張るだけ」と19歳の若武者は、もう一度ピッチに立つために調整を進める。

(取材・文 折戸岳彦)


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