いつもと雰囲気が違う。勝てば決勝進出と五輪出場が決まる準決勝イラク戦を前に、U-23日本代表MF原川力(川崎F)はサイドを刈り上げた新ヘアースタイルで登場した。

「横だけ刈りました。長かったので、ちょっと耐えられなくて」と笑うと、京都時代のチームメイトであるGK杉本大地(京都)からバリカンを借りて、「ちょっと刈るくらいは自分でできるので」と自ら散髪したことを明かした。

 大一番となるイラク戦、原川に出番が回ってくる可能性は十分にある。左足付け根に違和感を抱えるMF遠藤航(浦和)、発熱から復帰したばかりのMF井手口陽介(G大阪)とボランチ2選手が別メニュー調整を続けているからだ。原川自身も「試合に出られたら、自分のことをやるだけやと思う。目の前のことに100パーセント出したい」と意気込みを示す。

 過去の2度の対戦で2敗を喫しているイラクにリベンジを果たしたい思いとともに、原川は自分自身へのリベンジも果たしたいと考えている。「前の試合、全然ボールに触れられなかったし、リズムを作れなかった」。準々決勝イラン戦では先発出場しながらも相手の素早いプレッシャーに苦しみ、持ち味である攻撃面で力を発揮できなかった。

 だからこそ、次戦に賭ける思いは強い。「ボールに触って、しっかりリズムを作りたいし、守備でも自分のリズムを作りながらイラン戦よりうまく試合に入りたい」。自身の存在価値を改めて証明し、チームの決勝進出、そして五輪出場のために働こうとしている。

(取材・文 折戸岳彦)


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