Q:昨年11月から今まで、なんとなく憂鬱で、倦怠感もあります。よく眠れますが寝足りない感じもします。やる気がそがれ、趣味の釣りも楽しくありません。しかし、食欲はあります。去年の同時期も同じような状態になりました。いったい、どういうことなのでしょうか。教えてください。(24歳・設計事務所勤務)

 A:冬季うつ病と思われます。これは季節性のうつ病で、冬季感情障害や冬季メランコリーとも言われます。
 一般のうつ病は、よく眠れず睡眠時間が少ないのですが、冬季うつ病の場合、ご質問の方のようによく眠れます。食欲は、一般のうつ病が低下するのに対し増加し、特に炭水化物を食べたくなるのが特徴です。
 原因ははっきりとは分かっていませんが、日照時間との関係が指摘されています。
 冬は日照時間が短く、日光に当たる時間が短いためです。日本の中でも、高緯度の日本海側の地域に冬季うつ病が多いことが分かっています。時期としては、日照時間が短くなる晩秋から翌年の3月頃まで見られます。

●朝日を浴びて散歩しよう
 それではなぜ、太陽に当たる時間が短いとうつ病になるかというと、セロトニンが影響すると考えられています。
 セロトニンは脳内物質の一つで、朝、日光に当たることによって分泌が活発になります。また、やる気を引き起こす物質であり、不足すると、うつ病を引き起こす一因となると言われます。
 加えて、メラトニンという物質も関係しているという見方もあります。これは睡眠を促す物質で、冬季うつ病の人は夜間にこの物質が過剰に作られるため、よく眠るのです。
 起床時にもメラトニンが分泌されると、朝になっても活動のスイッチが入らず、やる気も起きません。ただし、以上はあくまで仮説です。
 冬季うつ病の対策は、朝に日光を浴びること。太陽に当たるとセロトニンの分泌が活発になるからです。日照時間が短くなる秋から始めるのが理想的ですが、今からでも遅くはありません。
 朝、出勤前に散歩して太陽の光を浴びましょう。

今井一彰氏(みらいクリニック院長)
山口大学医学部卒業。東洋医学などさまざまな医療を駆使し、薬を使わずに体を治していくという独自の観点に立って治療を行う。日本初の靴下外来も設置。