イランに勝って、U-23日本代表はいよいよ五輪まであと一歩という場所までやってきました。ここまでは、本当によかった。

だけど、僕は報道に違和感を感じています。結果的にイラン戦は3-0でした。スコアだけ見ると完勝ですから、べた褒めしたくなるのもわかります。

ですが、この試合は延長戦でした。はたして90分間の戦いぶりはどうだったか。後半、日本は手数を増やすことができませんでした。その点を忘れてはいけないと思います。

この試合で日本が勝つことが出来たのは、イランのシュートミスに救われたからです。相手が決定機で何度もミスをしたり、ボールがクロスバーに当たったりしたおかげで、日本に勝つチャンスが廻ってきたのです。

だから僕はイラン戦の勝利を手放しで褒める気にはなりません。両チームともに言えたことですが、とてもパスミスが多かった。どうしてそうなってしまったのか、しっかり原因を分析しなければいけないでしょうし、選手はメンタル面も整えなければならないでしょう。

日本は守備から入って耐えるということに腹を決めていると思います。だからこそ、大島僚太も南野拓実も先発に入れなかったのでしょう。ですからあと2試合も、日本は守る時間が長くなると思います。

そういう苦しい試合を覚悟して、自分たちはやればできるのだと信じて、あと2試合戦ってほしいと思います。まだ何も成し遂げたわけではないのです。

準決勝のポイントは先制点です。先制点をもぎ取れると、勝利への道が見えてきます。イラン戦よりも集中して、立ち上がりから臨んでほしいと思っています。

もっとも、きっと3-0に浮かれているのは周りだけでしょう。選手たちは集中していると思いますよ。ますますがんばれ! U-23日本代表!