中国メディアの新浪網は21日、中国が開発を続けてきた「Y−20(運−20)」輸送機が、すでに完成段階になったとして、中国は戦略的空挺部隊の運用が可能になったと主張する記事を掲載した。	(写真は新浪網の21日付報道の画面キャプチャー)

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 中国メディアの新浪網は21日、中国が開発を続けてきた「Y-20(運-20)」輸送機が、すでに完成段階になったとして、中国は戦略的空挺部隊の運用が可能になったと主張する記事を掲載した。

 現在、世界最大の軍用輸送機は米国のC-17で、最大積載量は77.5トンで搭載物がない場合の航続距離は9815キロメートルだ。Y-20は最大積載量が66トンで、積載物がない場合の航続距離は7800キロメートルとみられている。

 一方、日本の航空自衛隊が運用するC-1は最大積載量が8トンで、積載物がない場合の航続距離は2400キロメートル、2016年に運用が始まるとされるXC-2は最大積載量が30トン程度で12トン搭載時の航続距離は6500キロメートルだ。

 Y-20が想定通りの性能を発揮するとすれば、世界有数の輸送機ということになる。Y-20は少なくともすでに6機が存在することが確認されている。

 さらに中国は、輸送機用のターボファンエンジンの「WS-20(渦扇-20)」の開発を続けてきた。中国が保有するIl-76を利用した試験機がWS-20を搭載して飛行する姿も目撃されており、これまでに完成したY-20も、WS-20への換装が始まったとの見方があるという。

 記事は、米軍はC-17を導入したことで、世界各地への空挺部隊の投入が可能になったと指摘。中国もY-20を100機保有すれば、例えば「中東地域にも1個師団の兵力を送ることが可能になる」、「空中給油能力を備えることができれば、世界のいかなる場所にも戦略輸送がかのうになる」と論を展開した。

 記事はさらに、Y-20はパキスタンへの輸出も考えられると主張。パキスタンが現在保有している大型輸送機は空中給油機Il-78を改造した1機のみだ。大型輸送機を製造する国は、パキスタンへの売却に応じてこなかったという。

 新浪網は、2008年に四川大地震が発生した際、パキスタンはたった1機のIl-78を使って医療スタッフや支援物資を急送してくれたと指摘。中国とパキスタンには「鉄の団結」があり、パキスタンがY-20の売却を求めるならば、中国には応じない理由がないと主張した。(編集担当:如月隼人)(写真は新浪網の21日付報道の画面キャプチャー)