北京市環境保護局は最近になり、中国の自動車メーカーの長安汽車の一部車種が排気ガス規制に違反していたとして、すると同社は故意に数値をごまかしたのでは」との疑いの声が高まった。中国メディアの証券日報は22日付で、「故意にではない。中国の自動車メーカーに、ごまかす技術力はない」との説明を紹介した。(イメージ写真提供:123RF)

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 北京市環境保護局は最近になり、中国の自動車メーカーの長安汽車の一部車種が排気ガス規制に違反していたとして、同社を処罰した。中国では「独フォルクスワーゲンと同様に、故意に数値をごまかしたのでは」との疑いの声が高まった。中国メディアの証券日報は22日付で、「故意にではない。中国の自動車メーカーに、ごまかす技術力はない」との説明を紹介した。

 「排気ガス規制違反」と聞いて真っ先に思い出すのは、2015年に発覚した独フォルクスワーゲン社(VW)による、ディーゼル自動車の「排気ガスごまかし事件」だろう。技術力に信頼があり、しかも「ドイツ人は実直」とのイメージがあっただけに、衝撃は大きかった。

 中国人が受けた衝撃は、それ以上だった。深刻な大気汚染が常態化し、しかも中国ではVWブランドの自動車が大量に走っているからだ。長安汽車の排ガス規制違反について疑惑の声が高まった背景には「ドイツの企業も故意にごまかすことがある。中国の企業がごまかさないわけがない」との、自国企業/自国人に対する不信感が強いことがあったと考えられる。

 証券日報は22日、「米国の自動車企業でも中国の自動車企業でも長年にわたって働いた経験がある」という技術者の説明を紹介した。

 同技術者によると、自動車メーカーが排ガス基準を満たすには、三元触媒部分など「ハード」の部分と、「ソフト」部分に相当するOBD(自動車自己診断機能)の両方が関係してくる。

 これまでのところ、長安汽車が故意に三元触媒部分などで「手抜き」をしたとはみられていない。とすれば、問題になるのはOBDとなるが、長安汽車を始めとして、中国ブランドの自動車会社はOBDなどを自分で作ったり変更する技術力を持っていない。大部分の企業はドイツ系の合弁会社に供給を仰いでいるという。

 逆に言えば、中国ブランドの自動車メーカーは排ガス基準を満たすために、ハード部分をソフト部分に合わせるように設定せねばならない。その際に「ハードとソフトのミスマッチ」が生じると、一定条件下で排気ガスが基準を満たさない場合が出てくるという。

 同技術者は、長安汽車は中国ブランドの自動車メーカーの中では技術力が高いと評価。長安汽車が問題を出したということは、その他のメーカーの状況はさらに劣る可能性があると指摘した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)