21日、中国政府の「二人っ子政策」に大きな壁が立ちはだかっている。写真は妊婦。

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2016年1月21日、中国日報によると、中国政府の「二人っ子政策」に大きな壁が立ちはだかっている。

19日に中国国家統計局が発表した2015年の出生人口は、前年から32万人減少して1655万人だった。政府や専門家は、14年1〜6月に各地で施行された「単独両孩」政策(※片方の親が一人っ子である場合には、2人目の出産を認めるとした政策)の効果を期待していたため、この数字に少なからず衝撃を受けたようだ。

原因には、出産適齢期の女性の数が減少を続けていることや、新たに出産適齢期を迎える女性が出産・育児に前向きではないことなどが指摘されているが、もっと身近な「壁」が存在する。それは、「小皇帝」と呼ばれる子どもたちだ。

「小皇帝」とは、一人っ子政策で親や祖父母の愛情を独り占めし、わがままに育ってきた子どもたちを指す言葉だ。彼らの多くは、自分に弟や妹ができることを望まない。親から受ける愛情が半減すると思うからだ。過去には、成人した男性までもが両親の出産に反対して自殺騒動を起こしている。また、産婦人科医の医師によると、「小皇帝」の強い反対によって出産をあきらめ、中絶を選択する妊婦も増えている。

4歳半になる凱凱(カイカイ)ちゃんは以前、「弟が憎い。でも、僕はお兄さんだからいじめちゃだめだ。泣きたくないけど、涙が出てくるんだ」と泣きながら話したことがあるそうだ。小学5年生の篠篠(シアオシアオ)くんは2人目出産解禁のニュースを聞くと、「僕はずっとこの家の小皇帝だった。でも、ママがもう1人産んだら、下剋上じゃないか!」と話したという。青島の小学校では、両親の出産に反対する子どもたちによって「反弟妹連盟」が結成されたケースもあった。

一方で、現実を受け入れれば良い方向に働くこともある。前出の凱凱ちゃんの母親は、以前と同じように凱凱ちゃんに添い寝をし、旅行にも連れていった。大人たちに促されて、凱凱ちゃんも徐々に弟の面倒をみるようになっていった。今では幼稚園から帰ってくると真っ先に弟のところに行き、頬にキスをするのだという。

中国児童センターの叢中笑(ツォン・ジョンシアオ)氏は、「子どもたちの弟や妹に対する反発は、子どもの中から出てきているものではない。親や周囲が、子どもが2人いることの影響を過剰に考えているため、それが子どもの不安や恐怖につながっている」と指摘する。また、北京大学社会学部の夏学鑾(シア・シュエルアン)教授は、「弟や妹を受け入れられないのは、不適切な教育に原因がある。中国では伝統的に、年下の子の面倒をみるのが年上の子の責任とされてきたが、一人っ子の家庭ではこうした責任感は育まれにくい」とし、「二人っ子政策が、伝統的な家庭教育への回帰を促すかもしれない」としている。(翻訳・編集/北田)