22日、「謎の独立国家ソマリランド」「恋するソマリア」の著書を持つノンフィクション作家の高野秀行氏が、自身のブログを更新し、寿司チェーン店「すしざんまい」を展開する株式会社喜代村・木村清社長による「武勇伝」に疑問を呈した。

今月18日、「ハーバービジネスオンライン」が、「すしざんまい社長が語る『築地市場移転問題』」と題した木村社長のインタビュー記事を掲載した。インタビューによると木村社長は、ソマリアの海賊が自力で生計を立てる術を持たないため、狼藉に及んでいることを知り、彼らのために漁船を用意。漁の技術を教え、魚の買い付けを行うようにしたところ、直近3年間の被害は皆無になったという。

この逸話がネット上で大反響を呼んでいるが、高野氏はブログにおいて「そんなわけがないだろう」と一蹴している。これがもし事実なら、とっくに世界中で大ニュースになっているというのだ。

高野氏は「海賊の激減とすしざんまいには何も関係はない」とし、「たとえすしざんまいで元海賊を漁師や船乗りに雇っても、他の人間が海賊をやるから同じことだ」と指摘する。

そんな高野氏は、海賊被害が激減したのは、「一般の船舶が武装護衛をつけるようになったことがいちばん大きい」のだと主張する。かつてソマリア沖を航行する船は丸腰だったため、海賊から容易に狙われたそうだ。

しかし、各船がしっかり護衛を付けるようになった結果、海賊たちは手も足も出なくなったという。高野氏は、自衛隊を含む各国の海軍が警備していることも、海賊被害の撲滅に一役買っているとみる。

高野氏は、「まあ、仕事がなくなった海賊の一部はすしざんまいで助かっているかもしれない」としながらも「ちゃんと操業してるんだろうか。単にカモネギになっているだけじゃないかという気がしてならないのだが…」と、こぼしていた。

高野氏によると「ソマリアの海賊は9割方が事実上の独立国家『プントランド』から出陣していた」もので、他の国と異なり、同国政府は海賊行為が黙認し、利益を共有している側面もあるという。

ただ一方で、高野氏はその次のエントリーにおいて、「海賊対策に役立ったかどうかは関係なく、すしざんまいの社長さんは凄いビジネスマンだと思う」と指摘。木村社長が危険地域にひとりで乗り込み、交渉をまとめて、ビジネスを成立させたことに対して、「十分『武勇伝』だろう」と称賛していた。

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続・「クレイジージャーニー」とすしざんまい

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