資料写真=パイワン族の人たち

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(屏東 23日 中央社)日本の台湾統治を検証したNHKの番組で名誉を傷つけられたとして、出演した台湾原住民(先住民)パイワン族の女性、高許月妹さん(86)が損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁は21日、名誉毀損(きそん)を認めた二審判決を破棄し、女性の請求を棄却した。原告側の逆転敗訴が確定した。この結果に対し、女性をはじめ多くのパイワン族の人が住む屏東県牡丹郷高士村から不満の声が上がっている。

問題となった番組は、2009年4月に放送されたNHKスペシャル「シリーズJAPANデビュー」の第1回「アジアの“一等国”」で、日本統治時代の1910(明治43)年にロンドンで開催された日英博覧会に日本がパイワン族の人々を連れて行き、「人間動物園」として見せ物にしたと紹介。女性は見せ物にされた男性の娘として番組に出演していた。

番組の取材時に女性の通訳を担当した陳清福さんは、NHKが女性の気持ちを歪曲して報じるとは思いもしなかったと語り、人間動物園(という表現)は明らかに誹謗(ひぼう)中傷で、なぜ無罪と言えるのかと述べた。

高士村の李徳福村長は、NHKの台湾原住民に対する侮辱に村全体が憤慨したと当時を振り返り、女性の娘、高香梅さんも判決にはがっかりしたと肩を落とした。

(郭シセン/編集:杉野浩司)