肉や卵は多くのビタミン類を含む優良食品 Syda Productions/PIXTA(ピクスタ)

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これまで4000人を超える患者のダイエットを成功させてきた「こくらクリニック」(沖縄県那覇市)院長の渡辺信幸医師。その秘訣は、"誰もが簡単にできて継続できる"ことにある。

,劼噺30回噛む。
◆MEC食」(肉:Meat・卵:Egg・チーズ:Cheese)をたっぷり食べて炭水化物を控える。

 この2点を守るだけだ。近年流行りの糖質制限ダイエットの実践者で、体重は減ったが、長続きできずに挫折するという人は少なくない。従来のカロリー神話が抜けきれないまま、低糖質・低脂肪の野菜中心のメニューになることが多いため"栄養失調"に陥り、逆に不調を感じる人さえいる。

"一日30品目"という目安は現実的でない

 一方、渡辺医師の提唱する「MEC食」の場合、満足感が高く、十分な栄養を摂ることが可能だ。健康的にやせて、血糖値・中性脂肪値・尿酸値などの数値がすべて正常化した患者が大勢いる。さまざまな体の不調を改善しつつ、やせられるのだ。

 それについて渡辺医師は、次のようにアドバイスする。
 「バランスのいい食事に"一日30品目"という目安がある。すべての栄養素を満遍なく取るという考え方には賛成ですが、現実的には難しく、栄養素の分類を覚えるのさえひと苦労。意外かもしれないが、肉や卵は多くのビタミン類を含んでいる。野菜を食べたければ、まずMEC食で必要な栄養素を摂取してからにすればいいんです」

 渡辺医師が指導する1日に食べる量の目安は、肉200g・卵3個・チーズ120g。これだけ食べても、糖質はほぼゼロだ。

 ヒトが生きるために必要な三大栄養素は、タンパク質・脂質・糖質。蛋白と脂質は、体内で合成できないため、食事から取り入れなければならない。だが、糖質がなくても、人体では脂質からケトン体という物質を合成し、それをエネルギーにするシステムが働く。

 ところが、MEC食をスタートしても体重が落ちないケースがある。その理由はこうだ。

太りぎみの人は"栄養素不足"!?

 「太りぎみの人は、体に必要な栄養素が足りていない場合が多い。そんな人が高タンパクの食事を始めると、まず筋肉や骨量が増えて体重が増える場合があります。しかし、それをすぎると減量に向かいます。また、やせ型の人は、体脂肪が落ちて筋肉がつき、引き締まります」

 「肉ばかり食べて胃もたれが心配」「便秘にならないか」という不安には、こう答える。

 「肉・卵・チーズは、消化液で消化されるので大丈夫。胃もたれの原因は、糖質と食物繊維。ヒトは食物繊維の消化液を持ちません。一口30回よく噛んで食べれば、胃もたれしないので安心して食べてください」

 「主にタンパク質と脂肪である肉・卵・チーズは、胃や腸できれいに消化され、吸収されます。つまり、ほとんど"カス"が出ないので便の量は減ります。一方、穀物や野菜が中心の食事だと、食物繊維はヒトの体では消化できないので、おなかが張って便のカサが増えるだけです」

 「早食いは肥満のもと」だ。昔から「食事はよく噛んで」と言いつけられてきたが、「一口30回」というのは意外と難しいものだ。なかなか実践できない場合、どうすればよいのか。

 「たとえば、壁にかけたカレンダーを1日から30日まで数えながら食べるという人もいます。また、一口が大きいと噛みにくくて、早く飲み込んでしまいがち。小さく切って食べてみてください。会話しながらでも噛めるくらいが理想。自分にあった工夫を凝らしてみてください」

 とはいえ、ご飯が大好き、スナック菓子がやめられないという人は、どうしたらいいのか?

 「無理に制限すると、ストレスがたまって長続きしない。先に肉・卵・チーズをよく噛んで食べて、最後にごはんという順番してください。そうすると、自然に少しずつご飯の量が減っていきます」

 「スナック菓子がやめられない場合、『アンダカシー』がオススメ。豚皮をラードで揚げた、沖縄で昔から食べられているおやつです。もちろん、糖質ゼロ。サクサクした食感でおいしく、おつまみにも最適です」

 
 最期に渡辺医師は、ダイエット目的や糖尿病の改善にかぎらず、一般の人にもMEC食を勧める。

 「体のどこかに不安を感じている人は、ぜひ一度、試してみてください。改善や効果の出方は人それぞれですが、2〜3カ月あせらずに、じっくりと続けたら、必ずいいほうに変わるはずです」
(文=編集部)

『肉食やせ ! ―肉、卵、チーズをたっぷり食べるMEC食レシピ111』(主婦の友社)を昨年12月に発刊。料理が苦手な人や男性でも簡単にできて、とびきり美味しい肉・卵・チーズのメニューを厳選し、111レシピを紹介。作りおきができて、我慢せずに、健康的に美しくやせられる。外食の注意点やQ&Aも充実。厳しい糖質制限に挫折した人も必見!

渡辺信幸(わたなべ のぶゆき)
1963年生まれ。1991年名古屋大医学部卒業後、医療法人沖縄徳州会中部徳洲会病院に入職。伊良部島診療所院長、宮古島、石垣島徳洲会病院、徳州会新都心クリニック院長を経て2010年6月徳州会こくらクリニック(那覇市)院長に(現職)。離島、救急医療の経験から、予防医療の重要性を説き、MEC食の啓発活動に至る。著書に『一生太らない体をつくる「噛むだけ」ダイエット』『日本人だからこそ「ご飯」を食べるな〜肉・卵・チーズが健康長寿をつくる』『「野菜中心」をやめなさい〜肉・卵・チーズのMEC食が健康をつくる』『肉食やせ! 肉、卵、チーズをたっぷり食べるMEC食レシピ111!』。テレビ出演『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京)、『林修の今でしょ! 講座』(テレビ朝日)。全国で講演活動。自らがラジオ番組のパーソナリティーを務めるFMレキオ80.6MHz「なべちゃんのレキオでダイエット」も好評。