出動した消防士も警察官も、さぞやつらい思いだったろう。飛び降り自殺を図った男性の命を救うことができなかった。出動は間に合った。救助用マットに空気を入れて膨らませるのも間に合った。ところが、駐車禁止のビル脇には、乗用車1台が停まっていた。京華時報が伝えた。(イメージ写真提供:(C)kawing921/123RF.COM)

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 出動した消防士も警察官も、さぞやつらい思いだったろう。飛び降り自殺を図った男性の命を救うことができなかった。出動は間に合った。救助用マットに空気を入れて膨らませるのも間に合った。ところが、駐車禁止のビル脇には、乗用車1台が停まっていた。京華時報が伝えた。

 北京市中心部に近い東城区内で20日午後、ビル9階から飛び降りるそぶりをする男性がいた。周囲には多くの人が集まって、成行きを見ていた。

通報を受けた警察と消防が現場に到着した。消防士らがすばやく動いた。空気式の救助用マットの展開だ。消防車両からホースを引いてマット内に導く。

 成人男性の身長ほどの厚さで、仮に飛び降りたとしても、マットの上に落ちれば命は助かるはずだ。ところが、ビルのすぐわきに、乗用車1台が停まっていた。救助用マットはビルのかべにぴったりとつけて設置するのが理想的だが、乗用車のためにきちんと置けず、ビルとの間に隙間ができてしまった。

 しばらくして、消防士の1人が「空気充填、完了しました」と隊長に告げた。その直後、周囲で見ていた人が悲鳴を上げた。男性が飛び降りた。

 男性はマットの上に落ちなかった。ちょうどマットとビルの隙間に転落した。午後4時ごろだった。即死状態だったという。消防士の1人はマットで男性を受け止められなかったことについて「駐車していた車が影響したことは、あったと思います」と述べた。

 インターネットでは、違反駐車をしていた車主の責任を問う声が多くよせられた。また、消防を、「駐車違反なのはあきらかだった。救出作業の際に、すぐにどけてしまえばよかった」と批判する意見もある

 消防は「もちろん、車の持ち主に移動させることも、交通警察に移動を依頼することもありますが、本当に緊急の場合には、まずは救助マットを展開して、その後に車両の移動方法を考える場合もあります」と説明した。

 また、救助マットは命を救う決定的な方法ではなく、本当に飛び降りるつもりになったら、マットのないところを狙うという。ただし、飛び降りを考える人は、ビルなどの上層部で迷っているうちに、足を滑らして転落する場合がある。そのような時には、マットの効果に大いに期待できるという。

 20日に死亡した男性は、地面の上に救助マットが展開されていたことを目視したはずだ。そのまま落ちて来たということは、意せずして転落してしまった可能性も否定できない。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)kawing921/123RF.COM)