日本を訪れる中国人観光客が多くなるにつれ、中国のメディアでは今や日本を代表する食文化の1つである「駅弁文化」を紹介、賞賛するケースが増えている。そしてその賞賛の裏側には、往々にして中国の鉄道車内で供される弁当に対する文句が含まれているのである。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本を訪れる中国人観光客が多くなるにつれ、中国のメディアでは今や日本を代表する食文化の1つである「駅弁文化」を紹介、賞賛するケースが増えている。そしてその賞賛の裏側には、往々にして中国の鉄道車内で供される弁当に対する文句が含まれているのである。

 中国メディア・捜狐が21日掲載した記事も、その1つだ。記事は「日本の駅弁はしばしば、『同業』である中国高速鉄道の弁当を辱めるのに用いられる」としたうえで、「どうしてこれほどの差が出るのか」と問題提起した。

 そのうえでまず、日本の駅弁は当局による厳しい要求のもと、その日に作ったものをその日のうちに売ることになっている点、季節によって内容に変化がある点、そして日本人は冷たいものを食べる習慣があり、再加熱というプロセスを考慮する必要のない分、食感や食味が保たれている点を挙げた。

 さらに、「背後にあるのは往々にして、体制の問題だ」と「真顔」で指摘。中国の弁当は1社が請け負っているのに対して、日本では多くの会社が自由競争を繰り広げてきたとし、中国では「弁当がイヤならカップ麺を食え」となるが、日本では同業他社に客を奪われることになることを説明した。そのため、日本の駅弁会社は質の向上に努め、美味しいうえに楽しい商品で客を引きこむのであると論じた。

 そして最後に「カップ麺で満足している乗客は、弁当の不味さなど気にならない」という表現を用いたうえで、「製品の質を決めるのは、生産者や体制だけではない。消費者のニーズもとても重要だ」と指摘した。

 日本の駅弁は、記事の指摘どおり「冷めたものに対する抵抗が少ない」日本の食文化のもとに発展したものである。作りたての温かさを再現するための仕組みを作る試みもあるが、それ以上にいかにして「冷めてもおいしい」ものを提供するかへの追求をしてきた成果だと言える。

 食習慣の変化によって中国の消費者が「冷たい食事」への抵抗感を持たなくなれば、日本式の駅弁が中国でも普及することになるだろう。もしそうでないならば、常に温かい食事を求めるニーズにこたえる提供方式を研究せねばならない。ただしそのためには、市場競争の導入が不可欠だ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)