火をつけた艾(モグサ)の熱で、身体のツボに温熱刺激を与える「お灸(おきゅう)」。
最近は、若い女性の間でもお灸の人気がジワジワと広まり、自宅でお灸をする「お灸女子」も増えているそうです
身体の冷えが気になる冬にはもちろん、普段から肩こり・生理痛・ムクミなどで悩んでいる方も、この機会にお灸デビューしてみませんか?

じんわりとした温熱刺激が気持ちいい……お灸にハマる女子が急増中!


温熱刺激で「気」の流れを整える

ヨモギから作られるモグサに火をつけ、身体の表面(主にツボに当たる部位)に温熱刺激を与えるお灸は、中国で3000年以上前から行われている民間療法のひとつです。その考え方は、「身体の気(き)の流れを整えて生活機能の変調を矯正し、健康増進や病の予防に役立てる」という東洋医学の思想に基づいています。
私たちの身体には12本の経絡(けいらく)という気の道が通っていて、基本的に経穴(ツボ)は経絡の上にあります。お灸の熱で病んだ(凝った)ツボを刺激することで滞った気の流れを促し、さまざまな身体の痛みや不快な症状を緩和・除去していきます。
と同時に、自律神経のバランスを整え、人間が本来持っている自然治癒力を活性化させることで、体質改善・体力増進といった健康管理にも役立ちます。
また、温熱刺激で身体をじんわり温めますので、内臓が冷えやすい女性には特におすすめです。
ちなみに、日本における灸療法は、戦国時代の織田信長が広めたといわれています。信長は武田軍との戦いの際、兵士たちにモグサを持たせ、疲労回復のためにお灸をするよう奨励したとか。江戸時代の俳人・松尾芭蕉も、旅の道中に「足三里(あしさんり)」というツボへ毎日お灸を施し、奥の細道を歩き切ったといいます。


ツボの正確な場所を見つけよう

お灸をする際には、まずツボの正確な場所を見つけることが重要です。
本やネットなどでも、さまざまな症状に効果的なツボが紹介されていますが、ツボの場所はその人の体格や骨格、生活習慣や職業などによって微妙に異なります。
ツボに当たる周辺を少し強めに押して、ズンとした刺激や鈍い痛みを感じる場所があれば、そこがツボだと考えられます。きちんと自分のツボの場所を知りたければ、鍼灸院などで教えてもらうのもいいでしょう。
では、初心者にもオススメのツボを3つご紹介しましょう。
【足三里/あしさんり】
全身の血行を促し、足の疲れやムクミ、胃腸の症状にも効果的な万能養生のツボ。ひざのお皿の外側にあるくぼみから、指4本分下がった場所(すねの骨の外側の縁)です。
【合谷/ごうこく】
頭痛や目の疲れ、肩こりなどに効果的なツボです。手の甲を上にして、親指と人差し指の付け根にあるくぼんだ場所です。
【三陰交/さんいんこう】
三陰交は「子宮を刺激するツボ」といわれ、冷え症や生理痛、生理不順など、女性特有の症状に効果的です。足の内くるぶしの中心(最も高い所)から指4本分上がった、すねの際(骨の後ろの際)にあります。


自宅で手軽に使える「台座きゅう」

最近のお灸で主流となっているのが、小さな筒状のモグサに、シールで固定できる台座が付いた「台座きゅう」です。モグサが直接皮膚に当たらないので扱いやすく、初心者でも手軽にお灸ケアができます。
【台座きゅうの使い方】
1・ライター、消火用の水、ペン、ピンセットを用意します。
2・症状に合ったツボを探し、見つかったら皮膚にペンで印を付けます。
3・台座のシールをはがし、筒状のモグサの先端に火をつけます。
4・台座をツボの部分に置きます。
5・そのまま2〜3分置き、台座が冷めたら皮膚から外します。
6・外したお灸は、水に浸けて完全に消火します。
※途中で異常な熱さや痛みを感じたら、すぐにピンセットで取り除いてください。
お灸は一度にやりすぎると「灸あたり」という反作用で、全身がだるくなったり、のぼせたりすることがありますので要注意。入浴・食事・飲酒の前後も使用を避けた方がいいそうです。
自分の体調を見ながら正しい方法で使用して、日々の健康管理に役立ててみてくださいね。