中国の李克強首相は外遊のたびに高速鉄道のトップセールスを展開するなど、中国は近年、高速鉄道の輸出を積極的に推進している。だが、中国国内の高速鉄道利用者にとっては、国外への売り込みよりも乗務員のサービス向上のほうが切実な問題のようだ。

写真拡大

 中国の李克強首相は外遊のたびに高速鉄道のトップセールスを展開するなど、中国は近年、高速鉄道の輸出を積極的に推進している。だが、中国国内の高速鉄道利用者にとっては、国外への売り込みよりも乗務員のサービス向上のほうが切実な問題のようだ。

 中国メディア楚天金報はこのほど、「高速鉄道のサービスの質を評価するのは旅行客であるべき」と題し、中国高速鉄道のサービス向上には利用者による直接の評価が必要であると主張する記事を掲載した。

 記事はまず「サービスの質を向上させるうえでは、高速鉄道の女性乗務員の顔立ちやプロポーションに頼るべきではなく、また高価な商品を販売することでもなく、旅行客の必要とするサービスを行うことに基づくべきである」と指摘。乗客にサービスを評価させてこそ、安価な車内弁当を正常に提供できると述べ、乗客たちが高速鉄道のサービスに不満を抱いている様子を表現した。

 中国高速鉄道の車内で購入できる弁当にはいくつか種類があり、価格設定としては15元(約300円)から45元(約900円)程度までの数種類が存在する。中国人曰く、「年々、料金の安い鉄道が減ってきているため、仕方なく料金の高い高速鉄道を利用している人がほとんど」であり、車内での食事にお金を掛けたくないため、ほとんどの乗客はできるだけ安い弁当を購入したいと思っているという。

 だが、車内弁当のうちもっとも安い15元の弁当は利益につながらないため、中国高速鉄道の車内販売員は高額の弁当ばかりを売りつけようとするのだという。高速鉄道のサービスについて規定している「鉄道旅客運輸服務品質規範」によると、中国高速鉄道ではさまざまな価格帯の飲み物や弁当を準備する必要があり、15元の弁当も当然、そのなかに含まれる。

 しかし、実際は15元の弁当は販売カートの下に隠されているなどして、乗務員が自分から15元の弁当を勧めることはないという。少しでも高価な商品を販売して儲けようとしているようだ。

 記事は、こうした乗客の利益を損なう態度を批判し、中国高速鉄道のサービス向上には利用者による直接の評価が必要であり、その評価に基づいてサービスを改善すべきであると論じている。乗務員が乗客の必要に応えてこそ、「サービス」と呼べるのではないだろうか。今のところ乗客のニーズよりも、企業の利益が重視されているようだ。中国高速鉄道の車内では、日本では当たり前とされるような「サービス」は期待できないと言える。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)孟香濱/123RF.COM)