試合を重ねるにつれてコンディションは上がってきている。イラン戦では五輪出場に王手をかけるゴールが欲しい。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)記事更新

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 U-23日本代表のトレーニングを見ていると、ひと際高い確度でゴールを決めている男がいる。それが久保裕也だ。
 
 手倉森ジャパンのエースと呼べる男は、試合でもしっかり結果を残した。グループリーグ第2戦のタイ戦では71分から交代出場すると、約20分で2ゴール。決定力の高さを見せつけた。昨年3月の1次予選では「コンディションがすごく悪かった」と、1ゴールのみに終わったが、その悔しさを払拭する活躍を披露している。
 
 背景には、年末の沖縄・石垣島キャンプでの自身の体調改善、周囲との連係の向上があったという。
 
「石垣では良いキャンプができたと思います。身体の面もそうですし、チームにも馴染めました」
 
 12月の平均最高気温が3度という極寒のスイスから、1月の平均最高気温が21.7度のカタールに直接入っていれば、体調を崩していたかもしれない。ただ、急激な気温差のない温暖な石垣島で身体を慣らし、自身の誕生日会などでチームメイトとの距離をいっそう縮めたことで身体にも心にもゆとりができた。
 
 それだけにノックアウトステージとなる準々決勝へも自信を見せる。
 
「変なプレッシャーもないですし、試合を楽しみたいです」
 
 準々決勝のイランは攻撃的なチームで、最終ラインが高いという特長がある。それだけに「タイミング良く動き、合わせてもらえるボールが出てくれば抜け出せると思います」と、裏への動き出しでゴールを狙う。
 
 現代表は一昨年のアジア大会、U-22アジア選手権など、ベスト8の壁を打ち破れていない。しかし、待ちに待ったエースの登場でその悔しさにピリオドを打つ時を迎えたのかもしれない。イラン戦は自分のゴールで勝ち、勢いのまま五輪への出場を決める――青写真はできつつある。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)