日本は、イランのアンカー、ラフマニを封じるべく4-2-3-1のフォーメーションを採用か。仮に4-4-2であっても、守備時には2トップのうちのどちらかひとりが降りて守備に奔走するべきだろう。

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「自分としてはこの大会の準々決勝で勝つために、これまでの準々決勝で負けてきたんだと思っています」
 
 手倉森監督が語るようにこのチームは、一昨年のU-22アジア選手権とアジア大会、さらにひとつ下の世代のU-19アジア選手権(2012、14年)でも、いずれもベスト8止まり。この年代にとって、準々決勝はまさに“鬼門”となってきた。
 
 そして、今回のリオ五輪アジア最終予選、この難関で対戦するのがイランだ。イランで警戒すべきは「スピードのある選手が揃っている」(手倉森)というアタッカー陣。特に左サイドから果敢に仕掛けてくる17番のトラビには注意が必要になる。このアタッカーは昨年10月の日本のA代表との親善試合でゴールを決めており、今大会、グループリーグ突破をかけた第3戦の中国戦でも豪快なFKでネットを揺らしている。
 
 日本の右SBには室屋が入る予定だが、どれだけ粘り強く対応できるかがまずはキーになるだろう。
 
 また、4-1-4-1のシステムを敷くイランのなかで、アンカーで先発しそうな6番のラフマニにも気を付けたい。彼が的確に前線にパスを供給することで、イランの攻撃にリズムが生まれるだけに警戒が必要だ。この中盤のキーマンをより確実に封じるなら、日本は通常の4-4-2ではなく4-2-3-1を採用し、守備時にはトップ下の選手が目付け役としての機能を果たすのが得策だろう。

 仮に4-4-2でスタートするにしても、2トップのうちのどちらかひとりは守備時に1列下がって、ラフマニを警戒する役割が必要になりそうだ。
 
 日本のスタメンは4-2-3-1を採用するならば、GK櫛引、最終ラインは左から山中、植田、岩波、室屋、ボランチはチームの核である遠藤と大島、2列目は左から矢島、中島、南野、1トップは久保と考えられる。
 
 イランに対して選手たちが口を揃えるのは「ラインが高く裏を狙えそう」という言葉だ。その点は1トップに入りそうな久保も「タイミング良く動き出せば、(イランDFの裏に)抜け出せると思います」と自信を見せる。
 
 加えて手倉森監督が「後半にもつれればもつれるほど、ウチは強みを発揮できると思う」と話すように、グループリーグでフィールドプレーヤー20人全員を起用し、各選手を休ませながら勝ち進んできたことで、体力面でのアドバンテージを生み出した。
 
 となれば、前半はしっかり守り無失点に抑え、後半に勝負をかける、というゲームプランが見えてくる。その際、イランの高い最終ラインを考えれば、“スーパーサブ”として起用されるはずの浅野のプレーにも注目が集まる。0-0でゲームをコントロールしつつ、後半途中で投入した浅野が決勝弾を決める――。
 
 出来過ぎのように思える展開も、コンディションや戦略面で周到な準備ができていれば十分に可能なはずだ。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)