東京株式市場の日経平均株価の下げが止まらない。21日には1万6000円ぎりぎりの水準に沈み、年初からの下げ幅は3000円以上に達した。世界的な株安連鎖の中で、特に日本株が売られ、日経平均の下げが際立っている。写真は講演する武者陵司・武者リサーチ代表。

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東京株式市場の日経平均株価の下げが止まらない。21日には1万6000円ぎりぎりの水準に沈み、年初からの下げ幅は3000円以上に達した。世界的な株安連鎖の中で、特に日本株が売られ、日経平均の下げが際立っている。

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原油安や中国経済の減速などの要因のほか、円の対ドル相場が一時115円台に上昇したこともあって、日経平均は大幅安となっている。市場関係者からは苦し紛れの日銀量的金融緩和第3弾を期待する声も出始めた。ただこの“頼みの綱”も、「弾丸が尽きた印象を与え、即効薬にならない」(海外投資家)と見る向きが多い。

日銀の黒田東彦総裁は21日の参院決算委員会で、過去2回の量的金融緩和について「所期の効果を発揮している」と述べた上で、日本経済について「ファンダメンタルズ(基礎的条件)は緩やかに回復している」と強調、物価についても「基調は着実に改善している」との判断を示した。年初からの株安などを踏まえ「金融市場の動きが経済や物価に与える影響には十分に注視したい」と言明したものの、従来と同様の説明に終始した。

日銀の宮野谷篤大阪支店長は18日午後、支店長会議後の記者会見で、追加金融緩和への期待について「追加緩和してほしいと言っているのは証券会社の人たちであり、企業はそれほどでもない」と述べた。

渡辺博史国際協力銀行総裁(元財務官)は19日の日本記者クラブでの記者会見で、「米欧日本がこの6〜7年に流動性資金を供給、20世紀の初めの3倍ぐらいの資金が証券市場と先物原油市場に向かった。一昨年から調整が始まり、3分の1ぐらいが還流されたが、半分以上が残されている」と分析。「日銀が量の拡大という形であまり施策を取るとも見えない」と語った。

こうした中、武者陵司・武者リサーチ代表は19日の日本記者クラブでの講演会で、「安倍首相はデフレ脱却と2020年のGDP600兆円達成に対して強い決意を持っている」と指摘。2012年11月からのアベノミクス相場第1弾、2014年10月からの量的金融緩和第2弾相場に次ぐ、量的金融緩和3弾が打ち出されれば、上昇相場が想定できる、との見通しを明らかにした。

次回日銀政策決定会合は1月28、29日。その行方が注目される。(八牧浩行)