システムはイラン対策として4-2-3-1を採用か。前線にはポストプレーを得意とする久保、もしくはスピードが武器の鈴木の起用が予想される。

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「あと10日で世界に挑戦できるかどうかが決まる」――指揮官が表情を引き締め直す決勝トーナメントがいよいよ始まる。五輪出場の条件をもう一度整理すると、切符を勝ち取れるのはグループリーグを勝ち進んだ8か国中3か国のみ。日本は次戦の準々決勝・イラン戦に勝ち、準決勝、もしくは3位決定戦で勝利を掴む必要がある。
 
 イラン戦のポイントを手倉森監督は次のように述べている。
「今までのやり方を貫き通しながら守備の球際のところをさらに強められるか、だと思います。相手に付け入る隙はあるなと。後半になった時の体力的な強みはこっちにあると思います。ですので、勝ち急がない、攻め急がない、しっかりコントロールしながらゲームをできるかがポイントになるはずです。
 
 イランは良い時はものすごくパワーを出すが、悪い時はパワーが落ち我々にやらせてくれる。その良い時間で仕留められるか。我々にとって格下はいないトーナメントですから、最後まで侮らずに戦いたいです」
 
 イラン戦前々日のトレーニングでは、グループリーグ第2戦のタイ戦で右足を打撲し、別メニューを続けていた右SBの室屋が復帰。「もう大丈夫です」と明るい笑顔を見せるだけに、イラン戦の出場は問題ないように見える。
 
 一方、股関節回りの炎症で室屋とともに全体練習から離れていた鈴木は前々日のトレーニングでもストレッチを中心にしたメニューをこなし、右膝の状態が思わしくない松原も軽いランニングに止めた。
 
 ただ、鈴木に関しては指揮官が「あいつは2、3日休んだだけではフィジカルは落ちないですし、ぶっつけ本番で良いだろうと。俺が選んだらやってもらうという話はしました」と語るなど、先発の可能性も十分にある。
 
 システムを予想した場合、4-1-4-1を採用してくるであろうイランに対し、日本はグループリーグの3戦で見せた4-4-2や4-3-3ではなく、今予選で初めて4-2-3-1の布陣でスタートする可能性がある。
 
 相手のアンカーにトップ下をぶつけ、守備をはめやすくするためだ。その際2列目で起用されそうなのはグループリーグでの充実度から考えると中島、南野、矢島の3人か。1トップは前述のように鈴木の可能性はあるが、ポストプレーの精度などを考えれば、久保が先発により近いはずだ。
 
 ボランチではキャプテンの遠藤、サウジアラビア戦で結果を残した大島、最終ラインは左から山中、植田、岩波、室屋、GKは櫛引という並びが固い。
 
 イランはグループリーグを2勝1分、6得点・4失点という成績で2位通過してきた。スタイルとしては、失点を恐れずに殴り合いを挑んでくる。そのイランに対し、日本はしっかりゲームをコントロールし、冷静に勝機を掴めるか。
 
 準々決勝は、一昨年のU-22アジア選手権とアジア大会で敗れたU-23日本代表をはじめ、すべてのカテゴリーにおいて、まさに鬼門と言える。ここまでの悔しさを晴らすためにも、そして五輪切符を手に入れるためにも是が非でも勝利を掴みたい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)