嫌われ者の外来植物で、駆除に手を焼いているキク科の植物、オオキンケイギクに抗がん作用のある成分が含まれていることを、岐阜大工学部の纐纈(こうけつ)守教授が突きとめ、2015年12月、大学内の研究報告会で発表した。

オオキンケイギクは、鮮やかな黄色い花が咲くため、1880年代に観賞用として北米から持ち込まれた。ところが繁殖力が非常に強く、一度定着すると在来の野草を駆逐し、景観を黄色一色に染めてしまうほど。このため、外来生物法で栽培や運搬、販売が禁止されている。違反すると罰金がある。日本生態学会が、生態への悪影響の特に大きい生物を指定した「日本の侵略的外来種ワースト100」の1つに選ばれている。

市販抗がん薬と同程度の強い効果

纐纈教授は、オオキンケイギクの黄色い色素(フラボノイド)に着目した。フラボノイドは天然の有機化合物で、多くの薬効が報告されている。オオキンケイギクのフラボノイドは、刺し身のツマなどに使われる食用キクの5〜6倍含まれている。そこで、2年間かけて、花から様々なフラボノイド系の化合物を抽出。培養した人間の白血病細胞に各化合物を入れては観察した。

その中で、「4-メトキシランセオレチン」という化合物を与えた細胞は、2日後に約20%に激減した。人工的に作られる市販抗がん薬と同程度の強い効果だという。纐纈教授は「安全性を確認して薬つくりの研究を進めたい。これでオオキンケイギクの駆除に弾みがつけばうれしい」と語っている。