フォトセッションに笑顔で応じる、(左から)ベン・スミス氏、古田大輔氏、高田徹氏

写真拡大 (全10枚)

 BuzzFeed Japanは20日、新メディア「BuzzFeed Japan」に関する記者説明会を開催した。米BuzzFeedとYahoo!JAPANの合弁会社として設立された同社。広告、ニュース配信に強いのがYahoo!JAPANの特徴だが、BuzzFeed Japanにはどう活かされるのか。その編集方針などが、記者説明会で明らかにされた。

■クロスプラットフォームなメディアを目指す

 記者説明会の冒頭、BuzzFeed Japan代表取締役となったYahoo!の高田徹氏が登壇して挨拶した。BuzzFeed Japanは、米BuzzFeedが51%、Yahoo!JAPANが49%の株式を保有して2015年8月12日に設立された合弁会社だ。

 高田氏は「メディアの形は、その時代に沿ったものに変化するべき」と話し、BuzzFeed Japanをひとつのプラットフォームに依存しない“クロスプラットフォームなメディア”にしていくと解説した。「スマホとソーシャルの時代に合ったメディアを構築する。データとテクノロジーを駆使することで、従来のやり方では情報が届かなかった若い人たちにも情報を届けていく」と同氏。

 Facebook、Twitter、InstagramといったSNSに記事を配信し、SNS利用者の口コミで情報を拡散するのが”バイラルメディア“の特徴。バイラルメディアとしてグローバルで人気を集めるBuzzFeedだが、日本版でもその手法をとることに変わりはないようだ。

 では、広告の扱いはどうなるのだろう。Yahoo!Japanは広告主、広告会社と幅広い接点を持っている。これについて、高田氏は「従来型のバナー広告だけでは消費者にメッセージが届かなくなった、そんな思いを抱く広告主様も増えている。そこでクライアント様にも、クロスプラットフォームの時代に合った手法を紹介していきたい」と語った。BuzzFeed Japanで新たなマーケティング手法を確立し、発展させていくという。

 このほか、2020年の東京オリンピックに向けて日本のコンテンツを世界に発信することにも意欲を見せた高田氏。「まずは、読者に受け入れられるメディアを目指していく。最先端のテクノロジーにより、より良いコンテンツをお届けしていきたい」と意気込んだ。

■日本版の成長に期待

 続いて米国BuzzFeed社で全体の編集長を務めるベン・スミス氏が登壇して挨拶した。従業員数1,300名で海外展開するBuzzFeed社。現在、11の海外版が提供されている。「日本でも提供できることを大変うれしく思っている。シリアスなこと、バカげたおもしろいことを織り混ぜて、世界中にコンテンツを配信している。世界中にレポーターがいるが、今後は日本のレポーターの記事にも期待している」とベン氏。日本には独特のインターネット文化があり、またジャーナリスト文化も確立していると話し、日本版の成長に期待を寄せた。

■編集方針は?

 BuzzFeed Japan創刊編集長に就任した古田大輔氏は、新メディアの編集方針を説明した。これまで朝日新聞など、紙媒体を中心にキャリアを積んできた古田氏。「BuzzFeedの文化に共感し、クールだと感じた」と、まずは同社に移ったきっかけを説明した。

 BuzzFeedに掲載される記事は、ほぼ全て自社の編集部員が書いたものになるという。「厳密な編集ガイドラインが定められている。これまで新聞社、インターネットメディアで経験を積んできた編集者たちがつくったもので、自らを律する内容になっている」と古田氏。

 メディアでは、どのようなテーマを扱うのか。ローンチ初日には、福島第一原発の記事を掲載した。原発で働く人たちの姿をつぶさにレポートしたもので、よく読まれているという。これからも読み手の心に深く伝わる形で、記事を書いていきたいとのこと。

 では海外版では、これまでどんなテーマを扱ってきたのだろうか。古田氏によれば、ときには動物のかわいい記事を取り扱うこともあり、またオバマ大統領など世界の要人にインタビューすることもあるという。パリの襲撃テロの翌日には、追悼記事とともに、地元の人たちがバーでお酒を楽しんでいる様子をレポートした。「恐怖やテロに負けないで、お酒や会話を普段通りに楽しむ生活を続ける。辛いときこそ、自分たちの人生を楽しむ。それがテロに負けないというメッセージにつながる。従来のメディアでは伝えられなかった視点で、読者に情報を伝えていきたい」と同氏。