大相撲界の1年を占う初場所(両国国技館)が始まった。「この2場所、優勝から遠ざかっている白鵬は復活優勝できるか」「先場所の覇者、日馬富士の連覇はなるか」--。今場所もまた、前売り券の売れ行きは上々。人気力士たちの熱闘に注目が集まりそうだが、それに負けない熱い闘いが、土俵外でも繰り広げられている。

 こちらの主役は力士ではなく親方たち。初場所が終わると、2年に1度の役員候補選挙(理事選)がある。北の湖前理事長の急逝にともない、先月、すったもんだの末に代行していた八角親方(元横綱北勝海)が就任したが、その任期は3月まで。4月には改めて理事長を選び直すことになっており、今回の理事選の結果が大きく影響しそうなのだ。
 「当初、次期理事長は八角親方で決まりとみられていたんですが、予想に反して揉めました。ここで八角理事長にスンナリ決まると4月の改選でもそのまま続投という可能性が高いので、いまのままの代行でいいじゃないか、と一部の理事が反発したのです。結果、2時間以上も協議し、6対5という僅少差で決まりました。この流れを受けて4月の改選でもひと波乱ありそうです」(担当記者)

 八角理事長誕生に異論を唱えた急先鋒は、伊勢ケ浜理事(元横綱旭富士)と貴乃花親方。次期理事長に色気たっぷりの両者だが、とりわけ伊勢ケ浜親方は日馬富士、照ノ富士、安美錦ら、目玉力士を多く輩出している実績をちらつかせて論陣を張った。この相撲協会を二分しかねない状況に理事選がどうからんでくるのか。
 「今回、定年や欠員などで最大派閥の出羽一門の3人をはじめ、4人の理事が入れ替わります。問題はそのうちの1人、“ポスト友綱”です。前回、伊勢ケ浜一門の友綱理事(元関脇魁輝)は出羽一門の支援を受けて当選、九重親方(元横綱千代の富士)が落選しましたが、その後継者が今回も同様の支援を受けられるとは限らない。そこを見越して九重親方が返り咲きに色気を見せています。もし九重親方が当選すれば、同門の八角理事長の支持層が広がるし、同時に伊勢ケ浜親方は大きく地番沈下するのです。貴乃花親方は時期尚早の声が大きい」(協会関係者)

 いい齢の大男たちが、これだけ大騒ぎするのだから、理事長職はよっぽどおいしいポストなのだろう。