国立がん研究センターなどの研究グループは2016年1月19日、がん患者を10年間追跡して集計した10年後の生存率を初めて公表した。全てのがんの10年生存率は58.2%で、5年生存率より約5ポイント低かった。

「今がんと診断された人の10年先はかなり向上」

甲状腺や子宮は5年生存率とほとんど変わらないが、乳房や肝臓は5年後以降も下がり続けるなど、部位別の傾向が浮き彫りとなった。

全国16のがん専門病院で、1999年から2002年にがんと診断された3万5287人を追跡した。初期から末期まですべての進行度合い(ステージ)が含まれている。今回の結果について、研究グループでは「調査の対象者は10年以上前にがんと診断された人々。医療の進歩で現在の生存率は向上しており、今診断された人々の10年先はずいぶん変わっているだろう」とコメントしている。

主な部位別のがんの生存率は次のとおりだ(5年→10年)。

前立腺(100%→84.4%)、乳房(92.9%→80.4%)、甲状腺(91.6%→90.9%)、子宮体(84.9%→83.1%)、大腸(75.9%→69.8%)、ぼうこう(75.4%→70.3%)、子宮頸(75.1%→73.6%)、胃(73.1%→69.0%)、腎臓(73.1%→62.8%)、卵巣(61.0%→51.7%)、肺(43.9%→33.2%)、食道(42.3%→29.7%)、肝臓(34.8%→15.3%)、胆のう胆道(28.9%→15.3%)、すい臓(9.1%→4.9%)。