ウォーキングの歩数が多いほど記憶力が向上することが、米ボストン大の研究でわかり、米の精神医学誌「JINS」2015年11月19日号に発表された。よく運動を習慣にして体を積極的に動かす生活を続けると、認知症予防になるといわれるが、実際にどの程度、記憶力に影響するかはわかっていなかった。

そこで研究チームは、18〜31歳の若者29人と55〜82歳の中高年者31人を対象に実験を行った。参加者は腕時計タイプの活動量計をつけ、1日の歩数、歩行速度、歩行時間を測り、認知能力のテストを受けた。テストは、行動を計画して管理する能力や、長期的、短期的な記憶力などをみる内容だった。

若者は変わらないが、高齢者にははっきり差が出た

その結果、若者グループは、歩数による認知能力の差はほとんどなかったが、中高年グループでは、はっきりと差が出て、歩数が多いほどテストの成績がよくなった。特に記憶力での影響が大きく、最も差が出たのは、顔写真と名前を結びつける短期的な記憶力を測るテストだ。

今回の結果について、スコット・ヘイズ同大医学部教授は「高齢者では、ウォーキングが記憶力の向上にいい影響を与えることが確認できました。歩数が多いほど脳にいいとわかれば、毎日の運動がもっと楽しくなるでしょう。重要なのは、運動習慣がどんな治療薬よりまさる特効薬だということです」と語っている。