資産防衛の術を、投資のプロたちに聞いた(※イメージ)

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「日本株はもうだめなのか──」。日経平均株価の今年に入ってからの下げ幅は1700円を超え、下落率は約9%にもなった。年の瀬に遠く響くは除夜の鐘でなく、安倍相場を弔う仏壇鈴の音色だったか。資産防衛の術を、投資のプロたちに聞いた。

 相場が波乱になっても、高配当銘柄は株価も比較的下げにくいという。家電量販店の「ヤマダ電機」は、配当金にプラスして自社で使える商品券がもらえて、年利換算すると実質配当利回りは5.6%にもなる。昨年12月30日の終値は523円。年明けに大きく下げることもなく、15日は576円で終えている。

 NISA(少額投資非課税制度)口座を使って長期間投資するのに適しているもう一つの金融商品は「投資信託」だ。

 投資信託には日本株や外国株、債券の値動きに連動するタイプなどがある。一つの資産に集中して投資すると、ショックのときに大きなダメージを受ける。

「一本の投資信託のなかで『株式と債券』『国内と海外』など、値動きの異なる複数の資産に分けて運用して、リスクを抑える『バランス型』の投資信託がベスト」と言うのは、ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏。

「信託報酬などの手数料が低いETF(上場投資信託)が人気ですが、毎月の積み立ては原則できません。手数料は少し高めですが、毎月1万円から積み立てられて、運用はプロに任せられる投資信託のほうが、時間の節約にもなります」 深野氏がすすめる投資信託は、下落率はリーマンショックのときでも3%程度にとどまり、値動きが安定している「クルーズコントロール」「トレンド・アロケーション・オープン」など。

「NISA口座から買える上、証券会社を通さないで直接、運用会社から購入する直販型の投資信託は販売手数料がないのが魅力です。『ひふみ投信』『ザ・2020ビジョン』は運用成績も右肩上がりで信託報酬も割安です」(深野氏)

 びとうファイナンシャルサービスの代表で、資産運用アドバイザーの尾藤峰男氏も、信託報酬の安い投資信託をすすめる。

「信託報酬は年率何%換算で日々かかる管理費用のようなものです。5〜10年程度の中長期で投資するのなら、コストが安い投資信託を組み合わせて運用する方法もあります」

 例えば、ニッセイアセットマネジメントが運用する「日経225インデックスファンド」「外国株式インデックスファンド」、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS新興国株式インデックス」など、株式と債券、海外と国内と値動きの異なる投資信託を組み合わせて「バランス型」にする方法だ。

 元本は絶対に保証してほしいという人にも、増やせる投資はある。

「メガバンクの金利をはるかにしのぐ、地方銀行のインターネット支店、信用金庫の定期預金があります」(深野氏)

 預入金額100万円未満のスーパー定期で金利を比較してみよう。

 メガバンクは年0.025%のところ、準大手銀行のSBJ銀行は0.35%。地銀のインターネット専用支店、トマト銀行の「ももたろう支店」と、香川銀行「セルフうどん支店」、高知銀行「よさこいおきゃく支店」はいずれも0.3%。尼崎信用金庫の「ウル虎支店」は0.4%にもなる。

 口座開設はその地域に住む人に限定されるが、プロ野球やJリーグの開幕に合わせて、応援定期などを発売する地銀もある。利率も高めでグッズがもらえることもあるので楽しめる。

 もちろん投資する資金は生活費ではなく、余剰資金にしよう。株、投資信託などの金融商品選びは、くれぐれも自己責任で。

週刊朝日 2016年1月29日号より抜粋